肥料

化成肥料8-8-8の使い方|プランターは何グラム?畑の数字は使えない

公開 2026.08.17菜園びより 編集部

8-8-8の「8」は、窒素・リン酸・カリがそれぞれ8%入っているという意味です。

つまり100gの袋なら、窒素8g・リン酸8g・カリ8gが含まれています。この数字が分かれば必要量は逆算できます。ただし注意点があり、多くの解説に出てくる「1㎡あたり100〜200g」「10aあたり◯袋」は畑の基準で、プランターにそのまま当てはめると入れすぎになります。プランターでは面積ではなく培養土の容量で考えます。タキイ種苗は培養土10Lあたりの元肥として、N:P:K=6:9:6の有機配合肥料なら30g程度を目安としています。これを8-8-8に換算する方法を、この記事で説明します。

まず結論|プランターは「面積」ではなく「培養土の量」で決める

ポイント

「1㎡あたり100〜200g」は畑の数字です。プランターに面積の考え方は使えません。培養土が何リットル入っているかを基準にしてください。

化成肥料8-8-8の使い方を調べると、たいてい「1㎡あたり100〜200g」「10アールあたり7〜10袋」といった数字が出てきます。これは畑(露地栽培)の基準です。プランター栽培でこの数字を使おうとすると、そもそも換算のしようがありません。標準的なプランターの上面積は0.2㎡ほどですが、深さも土の量も畑とはまったく違うからです。

プランターで考えるべき単位は培養土の容量(リットル)です。次の表は、種苗メーカーが示している容量基準の目安と、そこから8-8-8に換算した数字です。換算の過程も示すので、手元の肥料に合わせて計算し直せます。

表1|プランターの容量別・元肥の目安(8-8-8に換算)
プランターの容量培養土の量8-8-8の元肥(換算値)主な用途
小型(浅型・65cm標準の半分程度)約5L約11g(大さじ1弱)小松菜・ラディッシュなどの葉物
標準(65cmプランター)約12〜15L約27〜34g葉物を数株、ミニトマト1株
深型・大型約20〜25L約45〜56gトマト・ナス・きゅうりなどの果菜1株
大型(φ36〜38cmの丸型・大型深型)約20〜30L約45〜67g果菜1株。サカタのタネは果菜に1株15〜20Lとしている

そして最初に確認してほしいのが、その培養土に元肥がすでに入っていないかです。市販の培養土の多くは元肥入りで、その場合は追加不要です。袋の表示に「元肥入り」「肥料配合済み」とあれば、植え付け時に肥料を足す必要はありません。ここを見ずに足すのが、家庭菜園でいちばん多い肥料過多の原因です。最初に何を買えばよいかから整理したい場合はベランダ菜園に必要なものリストを先にご覧ください。

「8-8-8」の数字が意味すること

ポイント

左から窒素(N)・リン酸(P)・カリ(K)の含有率(%)です。8-8-8なら合計24%で、残りは充填材。この%が分かれば、必要量はすべて計算で出せます。

肥料の袋に並ぶ3つの数字は、含まれる成分の割合(%)を表しています。順番は決まっていて、左から窒素・リン酸・カリです。8-8-8なら、それぞれが8%ずつということになります。

表2|3つの成分の役割
成分記号主な働き多すぎると
窒素N葉と茎を育てる。「葉肥」とも呼ばれる葉ばかり茂って実がつかない(樹ボケ)。落花や尻腐れの原因にも
リン酸P花と実つきをよくする。「実肥」土に蓄積しやすい。過剰は他成分の吸収を妨げることがある
カリK根を丈夫にする。「根肥」苦土(マグネシウム)の吸収を妨げる(農水省)

8-8-8は3つが同じ割合なので、特定の成分に偏らない汎用型です。各成分の含有量が比較的少ないため濃度障害が起きにくく、多少まき方にムラがあっても影響が出にくい。だから家庭菜園向けとして広く売られています。迷ったら8-8-8で構いません。

一方で「14-14-14」のような高度化成もあります。含有率が8-8-8のおよそ2倍なので、同じ効果を出すのに量は半分で済みます。畑のように広い面積に大量にまく場面では作業量が減って有利ですが、プランターのように少量を扱う場面では、8-8-8のほうが調整しやすいというのが実際のところです。

なぜ畑の数字をプランターに使ってはいけないのか

ポイント

土の量が桁違いに少ないからです。同じ量の肥料でも、土が少なければ濃度は跳ね上がります。プランターは「濃度」で考える必要があります。

畑の1㎡には、深さ30cmまで耕せば約300Lの土があります。一方、標準的な65cmプランターの培養土は12〜15L程度です。ざっと20分の1以下。同じ量の肥料を入れれば、濃度はまったく違うものになります。

この差が、プランター栽培でトラブルが起きやすい理由そのものです。この記事群でも繰り返し出てきましたが、肥料の効きすぎは次のような形で現れます。

  • 葉ばかり茂って実がつかない(樹ボケ)。茎が親指ほど太く、葉が濃い緑になります。→ トマトの花が落ちる原因
  • 花が落ちる。サカタのタネは「窒素肥料が効き過ぎると落花することがあります」としています。
  • 尻腐れが出る。チッソ過多はカルシウムの吸収を妨げます。→ トマトの尻腐れ病は治る?
  • 葉脈の間が黄色くなる。農水省は苦土欠乏の誘因として「多チッソ、多カリ」を挙げています。→ ミニトマトの葉が黄色い

つまり、肥料の入れすぎは「よく育つ」の反対です。しかも症状が出てから土の肥料分を減らすことはできません。足りなければ後から足せるが、多すぎたら取り返しがつかない——これがプランター施肥の大原則です。迷ったら少なめにしてください。

元肥の与え方|植え付けの1週間前までに

ポイント

元肥は土全体に混ぜ込みます。株元にまとめて置くと根が傷みます。タキイ種苗は「肥料の培養土との混合は、栽培開始の1週間前までに済ませておきます」としています。

元肥は、植え付ける前に土へ混ぜておく肥料です。手順はシンプルですが、いくつか外せない点があります。

  1. 1培養土に元肥が入っているか確認する。入っていれば、この工程は不要です。袋の表示を見てください。
  2. 2培養土の量を把握する。プランターの容量表示(例:14L)か、袋の残量から見当をつけます。ここが分からないと量が決まりません。外寸のcmから見当をつけないでください——実際の容量は外寸のかけ算の半分ほどです(プランターのサイズの選び方)。なお鉢底石を入れている場合は、その分だけ培養土が減っています(深型でも2割前後)。容量表示のまま計算すると肥料が濃くなります。
  3. 3表1を参考に量を決め、計量する。目分量ではなく、計量スプーンやはかりを使ってください。粒状の化成肥料は、大さじ1杯がおおよそ12〜15g程度です(製品により異なります)。
  4. 4土全体によく混ぜる。株元に固めて置かないでください。根が直接触れると肥料焼けを起こします。
  5. 5できれば植え付けの1週間前までに済ませる。タキイは混合をこのタイミングまでに行うとしています。

「1週間前まで」が難しければ、当日でも致命的ではありません。ただしその場合はとくに、株元から離して混ぜることを守ってください。混ざりきっていない肥料の塊に根が当たると、そこだけ濃度が高くなって傷みます。

追肥の与え方|プランターは切れやすい

ポイント

プランターは水やりのたびに肥料分が流れ出ます。畑より切れるのが早いので、追肥は必要です。目安は培養土10Lあたり20〜30g(タキイ)を月1回程度。

元肥だけで最後まで持つことはありません。とくにプランターは、鉢底から流れ出る水と一緒に肥料分も出ていきます。土の量が少ないぶん蓄えも少ないので、畑より早く切れます

表3|追肥の目安
項目目安備考
開始時期定植から2〜4週間後実がつき始めてから、が分かりやすい目安
量(固形)培養土10Lあたり20〜30gタキイの粒状有機配合肥料(6:9:6)の基準。8-8-8にそろえると10Lあたり15〜22.5g
頻度(固形)月1回程度緩効性肥料は1〜2か月効くものもある。製品表示を確認
頻度(液体)1週間〜10日間隔効果は早いが持続しない。濃度は規定倍率を守る
与え方土の表面にばらまき、表層の土と混ぜる株元に固めない。混ぜたら水をやる

追肥で重要なのは、量より「やるかどうかの判断」です。株の様子を見て決めてください。判断の軸は前の記事群と同じで、茎の太さと葉の色です。

表4|追肥するかどうかの判断
株の様子状態判断
茎が細く、葉が小さく、全体に色が薄い肥料切れ追肥する。ここが追肥の出番
茎も葉もふつう。実がついている順調予定どおり月1回程度で継続
茎が親指ほど太く、葉が濃い緑で大きい効きすぎ(樹ボケ)追肥を止める。足すと悪化する
下葉だけ黄色く、上は元気多くは正常な老化追肥は不要。→ 葉が黄色い原因

実例|ミニトマト1株を深型プランターで育てる場合

ポイント

ここまでの数字を、実際の1シーズンに落とし込みます。深型プランター(培養土20L)にミニトマト1株という、家庭菜園でいちばん多い構成で見てみます。

表や換算式だけでは、結局いつ何グラム与えればいいのかが見えにくいと思います。そこで具体例を1つ通しで示します。この通りにやれ、という話ではなく、考え方を追ってもらうためのものです。

表5|ミニトマト1株(培養土20L・深型プランター)の肥料スケジュール
時期やること8-8-8の量判断のポイント
植え付け1週間前元肥を土全体に混ぜる約45g(20L × 22g/10L)培養土が「元肥入り」ならゼロ。まず袋の表示を確認
植え付け肥料は入れない0g株元に直接触れないことだけ守る
第1花房が咲くころまだ与えない0gここで足すと樹ボケして花が落ちる。我慢どころ
第1花房が着果したら初回の追肥約30〜45g(20L × 15〜22.5g/10L)着果を確認してから。実がつく前に与えない
以降、月1回程度追肥を継続同上茎の太さと葉の色で毎回判断。太く濃いなら1回飛ばす
収穫後半株の勢いを見て継続または終了同上または0g葉が小さく色が薄いなら継続。終わりが近いなら止める

この表でいちばん重要なのは、第1花房が着果するまで追肥しないという点です。タキイ種苗はトマトについて、若い苗をそのまま定植すると「吸肥力が強くなり、樹ボケして落花や石灰欠乏症につながりやすく」なるとしています。初期に肥料が効きすぎると、株は葉を伸ばすほうに傾いて実をつけません。最初の実がついたことを確認してから追肥を始める——これが順番です。

もうひとつ、毎回機械的に与えないこと。表には「月1回程度」と書いていますが、これは予定であって義務ではありません。与える前に必ず株を見て、茎が親指ほど太く葉が濃い緑になっていたら、その回は飛ばしてください。

葉物野菜の場合は、もっと少なくていい

同じプランターでも、育てる野菜によって必要量は変わります。果菜(トマト・ナス・きゅうり)は栽培期間が長く、実をつけ続けるので肥料を多く必要とします。一方、葉物(小松菜・ほうれん草・ラディッシュ)は栽培期間が短く、収穫までに必要な量も少ない

  • 葉物(収穫まで20〜40日程度):元肥だけで最後まで持つことが多く、追肥は不要か1回程度。「早く育てよう」と追肥すると、味が落ちたり虫がつきやすくなったりします。
  • 果菜(収穫まで数か月、収穫期間も長い):元肥+定期的な追肥が前提。ただし着果してから始めます。
  • 根菜(大根・カブ):チッソが多すぎると葉ばかり茂って根が太りません。追肥は控えめに。

秋にまく葉物の育て方は秋植え野菜のプランター栽培でまとめています。コマツナのように生育日数が20〜25日と短いものは、そもそも追肥のタイミングが来る前に収穫が終わります。

やりがちな失敗と、その代わりにやること

ポイント

肥料の失敗は足しすぎにほぼ集約されます。しかも入れた肥料は抜けないので、修正が効きません。

「1㎡あたり100〜200g」の畑基準をプランターに当てはめる

培養土の容量で決める。畑1㎡には約300Lの土があるが、標準プランターは12〜15L。20分の1以下

元肥入りの培養土に、さらに元肥を足す

袋の表示を先に見る。「元肥入り」なら追加不要。ここが最も多い肥料過多の原因

株の元気がないので、とりあえず追肥する

茎の太さと葉の色で判断する。茎が太く葉が濃いなら効きすぎで、追肥は逆効果

肥料を株元にまとめて置く

土全体に混ぜる(元肥)/表面にばらまいて表層と混ぜる(追肥)。根が直接触れると肥料焼けを起こす

目分量でひとつかみ入れる

計量する。土の量が少ないほど、誤差の影響は大きくなる

効きが悪い気がして、規定より濃い液肥をつくる

規定倍率を守る。プランターでは頻度を上げるほうが安全で、濃度を上げるのは危険

8-8-8以外を選んだほうがいい場面

ポイント

8-8-8は万能型なので、迷ったらこれで構いません。ただし「実がつかない」「効かせる速さを変えたい」といった目的がはっきりしているなら、別の選択肢があります。

8-8-8は3成分が均等なので、逆に言えば特定の目的に最適化されていません。次のような場面では、別のタイプを検討する価値があります。

表6|目的別の選び方
こういうとき選ぶもの理由
とくに目的がない/初めて8-8-8バランス型で濃度障害も起きにくい。まずこれでよい
葉ばかり茂って実がつかない窒素の比率が低いもの(リン酸が高いもの)窒素を足すと樹ボケが進む。実つきを狙うならリン酸寄りに
すぐに効かせたい/回復させたい液体肥料効果が早い。ただし持続しないので頻度が要る
手間を減らしたい緩効性の粒状肥料1〜2か月効き続けるものがある。追肥の回数を減らせる
広い面積にまく(畑)14-14-14 などの高度化成含有率が約2倍なので量が半分で済む。プランターでは調整しにくい

肥料以外の資材も含めた選び方は道具・資材の選び方にまとめています。また、これから始める場合の最初の準備は最初の準備から確認できます。

よくある質問

8-8-8はひとつかみで何グラムですか?

手の大きさや粒の大きさで変わるため、ひとつかみを基準にするのはおすすめしません。畑では「ひとにぎり約40g」といった目安が使われますが、プランターの培養土10Lに対する元肥は換算で約22g、追肥は20〜30g程度です。ひとつかみでは多すぎることがあります。土の量が少ないほど誤差の影響が大きくなるので、計量スプーンやはかりを使ってください。粒状の化成肥料なら大さじ1杯がおおよそ12〜15g程度です(製品により異なります)。

培養土に「元肥入り」と書いてあります。追肥も要りませんか?

元肥は不要ですが、追肥は必要になります。元肥入りの培養土でも、含まれる肥料分は永久には持ちません。とくにプランターは水やりのたびに肥料分が流れ出るため、畑より早く切れます。目安は定植から2〜4週間後に初回の追肥、その後は月1回程度です。ただし機械的に与えるのではなく、茎の太さと葉の色を見て判断してください。茎が太く葉が濃い緑なら効きすぎているので、追肥は止めます。

肥料を入れすぎてしまいました。どうすればいいですか?

土に入った肥料を取り除くことはできないので、基本は「これ以上足さずに待つ」です。追肥を完全に止め、変化が見えるまで2週間ほど様子を見ます。その間に新しく出る葉が普通の緑・普通の大きさになってきたら、回復に向かっています。表面に肥料の粒が見えているなら、それは取り除けます。なお、水をたくさん与えて流すという方法は、根を過湿で傷めるリスクがあるため慎重に。

8-8-8と14-14-14はどちらがいいですか?

プランター栽培なら8-8-8をおすすめします。14-14-14は含有率が約2倍なので、同じ効果を出す量は半分で済みます。広い畑にまくときは作業量が減って有利ですが、プランターのように少量を扱う場面では、必要量が少なすぎて計量しづらく、入れすぎのリスクが上がります。8-8-8のほうが濃度障害も起きにくく、多少のムラも吸収してくれます。

有機肥料と化成肥料はどちらを使うべきですか?

どちらでも育ちます。化成肥料は成分量がはっきりしているので、8-8-8のように計算で必要量を出せるのが利点です。有機肥料はゆっくり効き、土の状態を改善する働きも期待できますが、成分の表示が製品によってまちまちで、効き方も条件に左右されます。この記事のように量を計算したい場合は化成肥料のほうが扱いやすく、量の管理より土づくりを重視したいなら有機肥料、という使い分けが現実的です。

参考・出典

病害虫の防除に農薬を使う場合は、その作物への登録がある薬剤を、ラベルに記載された希釈倍数・使用時期・使用回数の範囲で使ってください。 栽培環境(地域・天候・品種・容器の大きさ)によって症状の出方は変わります。判断に迷う場合は、お住まいの都道府県の病害虫防除所や普及指導センターにご相談ください。

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