ミニトマト

ミニトマトの葉が黄色い|下葉なら正常?どの葉かで原因を見分ける

公開 2026.08.17菜園びより 編集部

下の葉だけが黄色く、上の葉と生長点が元気なら、多くは正常な老化です。慌てて肥料を足す必要はありません。

見るべきは「どの葉が黄色いか」です。理由がはっきりしていて、養分には体内を移動できるものとできないものがあるからです。チッソやマグネシウムは移動できるので、足りなくなると株は古い葉から引き抜いて新しい葉へ回します。だから不足の症状は下葉から出ます。逆にカルシウムや鉄は移動できないので、症状は新しい部分に出ます。つまり下葉が黄色いのはよくある話で、新しい葉が黄色いほうが要注意です。まず株の上半分を見て、生長点と新しい葉が正常かを確かめてください。

まず結論|見るのは「黄色い葉の位置」と「黄色くなり方」

ポイント

下葉だけ+上は元気=ほぼ老化で、心配いりません。新しい葉が黄色い斑点やカビがある株全体がしおれる——このどれかに当てはまるときだけ、対処が必要です。

ミニトマトの葉が黄色くなると不安になりますが、実はいちばん多い原因は「正常な老化」です。実が育つと、株は葉に蓄えていた養分を実へ回します。役目を終えた下葉は黄色くなり、やがて落ちます。これは順調に育っている証拠であって、異常ではありません。

問題は、この正常な老化と、対処が必要な症状が同じ「葉が黄色い」に見えることです。そこで、位置黄色くなり方の2つで切り分けます。次の表を、実際の株を見ながら確認してください。

表1|黄色い葉の位置と見え方から原因を絞る
どこが黄色いか見え方疑う原因最初にやること
下葉だけ。上の葉と生長点は元気葉全体がゆっくり淡く黄色くなる正常な老化(いちばん多い)何もしなくてよい。落ちる直前の葉は取り除く
中〜下の葉。葉脈は緑のまま残る葉脈の間だけが黄色くなる苦土(マグネシウム)欠乏葉脈が緑で残っているかを確認。多チッソ・多カリも誘因
中位の葉。葉のふちが黄色い葉の周辺から黄化が広がるカルシウム欠乏/カリ欠乏水切れと肥料バランスを見直す。果実の先端が黒くなっていないかも併せて確認
下葉から始まり、だんだん株全体が淡くなる葉脈も残らず一様に淡い緑〜黄色チッソ欠乏(肥料切れ)追肥を検討する。この場合だけ肥料が正解
新しい葉(上のほう)が黄色い生長点付近から黄化鉄欠乏などの可能性。要注意下葉の老化とはまったく別。株全体の状態を確認
黄色い斑点、葉裏のカビ、銀色の光沢点や模様として出る病気・害虫傷んだ葉を取り除き、広がりを止める
部分的に黄色くなり、株全体がしおれるしおれを伴う萎凋病など。要注意水やりで戻らないなら土壌からの病気を疑う

なぜ「下の葉」から黄色くなるのか

ポイント

養分には、株の中を移動できるものとできないものがあります。移動できる養分が足りなくなると、株は古い葉から回収して新しい葉へ送ります。だから症状は古い葉=下葉から出るのです。

ここを理解しておくと、原因のリストを暗記しなくても判断できるようになります。植物にとって大事なのは、これから伸びる部分です。養分が足りなくなったとき、株は使える資源を新しい部分へ優先的に回します。

このとき鍵になるのが、その養分が体内を移動できるかどうかです。チッソやマグネシウムのように移動できる養分は、古い葉から引き抜いて新しい葉へ送ることができます。古い葉は、いわば備蓄を取り崩される側です。結果として、不足の症状は下葉から現れます。

反対に、移動できない養分もあります。タキイ種苗はカルシウムについて「体内の再移動は少ないため、常に供給されている必要がある」と説明しています。取り崩せないので、古い葉から回収することができない。だから症状は、いま供給が届いていない場所に出ます。

ただし、カルシウムがどこに症状を出すかは、器官によって説明が分かれます。果実では、タキイ種苗が「多肥、高温環境下でカルシウムの果実への転流が悪くなり」発生するとしており、肥大中の果実の先端=尻腐れとして出ます。一方で葉のほうは、農林水産省の資料が「中位葉の小葉の葉縁が黄化する」とし、タキイ種苗は「障害は上位葉から発生し、葉の最先端ではなく、その付近の両脇から」出るとしていて、資料によって幅があります。原理としては「古い葉から回収できない」が共通していて、どこに出るかは器官ごとに覚えるのが正確です。

表2|養分の移動性と、症状が出る場所
養分体内を移動できるか症状が出る場所見え方
チッソ◯ 移動できる古い葉(下葉)から葉全体が一様に淡くなり、やがて株全体へ広がる
苦土(マグネシウム)◯ 移動できる中低位葉から葉脈を緑に残して、葉脈の間だけが黄化する
カリ◯ 移動できる古い葉から葉のふち全体が黄化する
カルシウム✗ 再移動が少ない肥大中の果実の先端/葉は中〜上位葉果実では尻腐れ。葉では葉縁が黄化(農水省は「中位葉」、タキイは「上位葉から」とし資料により幅がある)
✗ 移動しにくい新しい葉(上のほう)新葉が黄化する

この表からひとつの判断基準が出てきます。下葉が黄色い=移動できる養分の話=比較的よくある、緊急性が低い新葉が黄色い=移動できない養分の話、または別の異常=注意が必要。原因を6つも7つも覚えるより、この軸を持っておくほうが実用的です。

老化による黄化なら、何もしなくていい

ポイント

一度黄色くなった葉は緑に戻りません。戻そうとするのではなく、落ちる準備ができた葉を取り除いて、風通しをよくするのが正解です。

下葉だけが黄色く、株の上半分が元気なら、老化です。なお「下葉の老化」は生理障害の資料に症状名として載るものではなく、資料が定義しているのは欠乏症のほうです。だからこそ、葉脈の模様や斑点といった「欠乏症・病害虫の特徴」が出ていないことを確認する手順が意味を持ちます。実に養分を送った結果として起きているので、むしろ順調な証拠と言えます。ここで肥料を足したり薬をかけたりする必要はありません。

黄色くなった葉をどうするかですが、そのままにしておく理由はありません。黄色い葉はもう光合成ができず、株の役に立ちません。それどころか、傷んだ葉は病気の入り口になります。ただし、取り方には注意点があります

黄色くなり始めた葉を、片っ端から切り取る

完全に黄色くなり、付け根から簡単に取れるものだけにする。まだ緑が残る葉は光合成をしている

見た目をすっきりさせようと、一度に大量の葉を落とす

一度に取るのは数枚まで。葉は実に日陰をつくっており、減らしすぎると日焼けや裂果を招く

下葉が黄色いので、栄養不足かと思って追肥する

上の葉が元気なら老化。追肥は不要で、樹ボケや落花の原因になることもある

取った葉をプランターの土の上に置いておく

株元から離して処分する。病気が出ていた葉は特に、そのままにすると感染源になる

とくに2つめは、この記事群で繰り返し出てくる話です。高温期に葉を減らしすぎると、果実に直射日光が当たって日焼けし、裂果につながります。「黄色い葉を取る」と「葉を減らす」は別の作業だと考えて、取るのは役目を終えた葉だけにしてください。

葉脈が緑のまま残っているなら、苦土(マグネシウム)欠乏

ポイント

葉脈だけが緑で、その間が黄色い——この模様が出ていたら苦土欠乏です。老化とは見え方が明確に違うので、区別できます。

下葉の黄化のなかで、老化と区別すべきものがひとつあります。苦土(マグネシウム)欠乏です。農林水産省の野菜栽培技術指針は、トマトの苦土欠乏をこう説明しています。

見分けのポイントは葉脈です。老化なら葉全体がゆっくり均一に色を失いますが、苦土欠乏は葉脈だけが緑で残り、その間が黄色く抜けるという特徴的な模様になります。葉を光にかざすと分かりやすいです。

もうひとつ重要なのは、原因が「苦土不足」だけではないという点です。上の引用にあるとおり、多チッソ・多カリでも苦土の吸収が妨げられて発生します。つまり、肥料をたっぷり与えているのに苦土欠乏が出る、ということが起こり得ます。この場合、苦土を足すよりチッソやカリを減らすほうが筋の通った対処になります。

対処として葉面散布が有効だった事例もあります。タキイ種苗の生理障害事例集(兵庫県立農林水産技術総合センター事例提供)では、養液土耕栽培のトマトで、果実が肥大し始める時期に「果実周辺から上下に向けて、葉が葉脈を残し、黄化した」症状が発生。葉分析でマグネシウム欠乏症と確定させたうえで硫酸マグネシウム1%水溶液を週に1回、2週間、計2回葉面散布したところ、「無処理区では回復が見られず、葉面散布区ではその後完全に回復した」と報告されています。あくまで、葉分析で原因を特定できた1事例での結果です。

肥料を足す前に|「足りない」のか「吸えていない」のか

ポイント

欠乏症状が出ていても、土にその養分がないとは限りません。乾燥・過湿・他の養分の過剰——この3つが吸収を妨げているケースがあり、その場合は足しても直りません。

葉の黄化を「養分が足りないサイン」と読むと、対処は「足す」になります。ところが、欠乏症状が出る理由は3つあるので、足して直るとは限りません。ここを分けて考えないと、肥料を足しては症状が続き、また足す、という悪循環に入ります。

表3|欠乏症状が出る3つの理由
理由何が起きているか正しい対処
① そもそも土に足りない肥料成分が消費された、水やりで流れ出た追肥が正解。株が細く葉も小さく色が薄いなら、これ
② 土にはあるが、根が吸えていない乾燥で吸収が止まる/過湿で根が傷む/根詰まり水やりを立て直す。肥料を足しても吸えないので効かない
③ 他の養分に邪魔されている多チッソ・多カリが苦土の吸収を阻害する(農水省)足すのではなく減らす。追肥を止めて様子を見る

②について、タキイ種苗は、カルシウム欠乏症の発生を助長する要因として土壌の乾燥を挙げています。カルシウムに限らず、養分は水に溶けて根から吸われ、水の流れに乗って運ばれます。土が乾けば、そこにいくら養分があっても株には届きません。プランターは乾きやすいので、この状態に入りやすい環境です。

逆に、水をやりすぎて土が常に湿っていると、根が酸素不足になって傷みます。傷んだ根は水も養分も吸えないので、結果は同じ——欠乏症状です。「毎日きちんと水やりしているのに葉が黄色い」という場合は、こちらを疑ってください。

③はすでに触れたとおりです。農林水産省の資料は苦土欠乏について「多チッソ、多カリ、リンサン不足による苦土吸収阻害で発生しやすい」としています。肥料をたっぷり与えているのに欠乏症状が出るという、直感に反することが実際に起こります。この場合、必要なのは足すことではなく止めることです。

注意が必要なパターン|新葉の黄化・斑点・しおれ

ポイント

新しい葉が黄色い/黄色い斑点やカビがある/株全体がしおれる。この3つは老化ではありません。放置すると株を失うこともあります。

① 新しい葉が黄色い

下葉ではなく上のほうの新しい葉が黄色いなら、話が変わります。表2のとおり、これは移動できない養分(鉄など)の不足か、それ以外の異常です。とくに、新しい葉が縁から黄色くなって巻き上がり、葉が小さく株全体が縮んでいく場合は、ウイルス病である黄化葉巻病の可能性があります。これは治らない病気なので、見分け方はトマトの葉が丸まる原因で詳しく解説しています。

② 黄色い斑点、葉裏のカビ、銀色の光沢

全体が均一に黄色くなるのではなく、点や模様として出るなら病害虫です。葉かび病は葉の表に黄緑〜淡い黄色の斑点が出て、進むと葉裏に薄茶色のカビが生えます。株の下のほうから始まり、上へ広がっていきます。また、葉裏が光沢のある銀色になっているならトマトサビダニの可能性があります。

見分けの原則はシンプルで、病害虫には必ず前触れがあるということです。斑点が出る、カビが見える、葉裏の質感が変わる——何かしらの「模様」を伴います。均一にゆっくり黄色くなるだけなら、まず老化か養分の問題です。

③ 部分的に黄色くなり、株全体がしおれる

黄化にしおれが伴う場合は要注意です。水をやっても回復しない、下のほうの葉から褐色になって株全体がしおれていく、という経過なら、土壌から感染する病気(萎凋病など)が疑われます。この場合、他の株への広がりを防ぐことが優先になります。

プランター栽培で気をつけること

ポイント

土が少ないぶん、肥料切れも肥料過多も起きやすいのがプランターです。さらに株を詰め込みすぎると、下葉の黄化が一気に進みます。

畑と比べたときのプランターの特徴は、これまでの記事でも繰り返してきたとおり土の量が少ないことです。葉の黄化に関しては、次の3点が効いてきます。

  • 肥料が切れやすい。土が少ないうえ、水やりのたびに養分が流れ出ます。下葉から株全体へ均一に淡くなっていくなら、チッソ切れの可能性があります。この場合だけは追肥が正解です。
  • 逆に効きすぎやすい。同じ量の肥料でも、土が少なければ濃度は上がります。多チッソ・多カリは苦土の吸収を妨げるので、肥料を足したのに黄化が出るという逆説的なことが起こります。
  • 株を詰め込みすぎると下葉が早く黄色くなる。株同士が影をつくり、下葉に光が当たらなくなるためです。標準サイズのプランターなら、背の高くなるミニトマトは2株程度にとどめるのが無難です。

3つめは意外に見落とされます。「たくさん植えればたくさん採れる」と考えて詰め込むと、風通しも日当たりも悪くなり、下葉の黄化と病気の両方を招きます。結果的に収穫量は減ります。容器のサイズと株数のバランスは道具・資材の選び方で、ベランダの日当たり条件は環境別の育て方で確認できます。

なお、肥料を足すべきか止めるべきかで迷ったら、茎の太さと葉の色を見てください。茎が親指ほど太く葉が濃い緑なら効きすぎ、茎が細く葉が小さく色が薄いなら切れています。この判断は落花のときとまったく同じで、トマトの花が落ちる原因でも表にしています。

迷ったときの判断手順

ポイント

上を見る → 模様を見る → しおれを見る。この3ステップで、慌てるべきかどうかが決まります。

最後に、実際に株の前に立ったときの手順としてまとめます。道具はいりません。

  1. 1株のいちばん上を見る。生長点と新しい葉が濃い緑で元気なら、下葉が何枚黄色くても株は順調です。ここで多くの場合、心配は終わります。
  2. 2黄色い葉に「模様」があるか見る。葉脈が緑で残って間だけ黄色いなら苦土欠乏。斑点やカビ、葉裏の銀色の光沢があるなら病害虫。均一にゆっくり淡くなっているだけなら老化です。
  3. 3しおれを伴っているか見る。水をやっても戻らないしおれがあれば、土壌からの病気を疑います。ここだけは早めに判断してください。
  4. 4上の3つで異常がなければ、黄色い葉を取り除いて終わり。付け根から簡単に取れるものだけにします。

この手順の要点は、最初に「上」を見ることです。人はどうしても目についた黄色い葉に意識が向きますが、株の健康状態を教えてくれるのは新しく伸びている部分のほうです。ここが元気なら、下で何が起きていても取り返しがつきます。

よくある質問

黄色くなった葉は、緑に戻りますか?

老化で黄色くなった葉は戻りません。「戻そう」とするのではなく、これから出る新しい葉が正常かどうかで判断してください。一方、株そのものが立ち直るかは別の話です。苦土(マグネシウム)欠乏では、葉分析で原因を確定させたうえで硫酸マグネシウム1%水溶液を週1回・計2回散布した試験事例で、無処理区は回復せず、散布区は「完全に回復した」と報告されています(タキイ種苗 生理障害事例集)。マグネシウムは体内を移動できる養分なので、原因が特定できていれば立て直せる余地があります。ただし濃度は自己判断で上げず、高温の日中の散布は避けてください。

下葉が黄色いので肥料をあげたほうがいいですか?

上の葉と生長点が元気なら、必要ありません。それは老化なので、追肥しても止まりませんし、かえって樹ボケや落花の原因になります。追肥を検討すべきなのは、下葉から始まって株全体がだんだん淡くなり、茎も細く葉も小さくなっている場合(チッソ切れ)です。茎が親指ほど太く葉が濃い緑なら、逆に効きすぎているので追肥は止めてください。

黄色い葉は取ったほうがいいですか?取らないほうがいいですか?

完全に黄色くなり、付け根から簡単に取れる葉は取ってください。光合成をしておらず、病気の入り口にもなります。ただし、まだ緑が残っている葉は残します。また、一度に大量に取るのは避けてください。高温期に葉を減らしすぎると、果実に直射日光が当たって日焼けし、裂果につながります。「黄色い葉を取る」と「葉を減らす」は別の作業と考えてください。

葉脈だけ緑で、その間が黄色くなっています。これは何ですか?

苦土(マグネシウム)欠乏の典型的な症状です。農林水産省の野菜栽培技術指針は「中低位葉の葉脈間が、主脈に近い部分から脱色して黄化する」と説明しています。注意したいのは、原因が苦土不足だけではないことです。同資料は「多チッソ、多カリ」による吸収阻害も挙げており、肥料を十分与えているのに出ることがあります。その場合は苦土を足すより、チッソやカリを減らすほうが理にかなっています。

上のほうの新しい葉が黄色いのですが、下葉の黄化と同じですか?

違います。むしろこちらのほうが注意が必要です。チッソやマグネシウムのように移動できる養分の不足は、古い葉(下葉)から症状が出ます。新しい葉に症状が出るのは、鉄のように移動しにくい養分の問題か、別の異常です。とくに、新しい葉が縁から黄色くなって巻き上がり、葉が小さく株全体が縮んでいく場合は、治療できないウイルス病(黄化葉巻病)の可能性があります。早めに見分けてください。

参考・出典

病害虫の防除に農薬を使う場合は、その作物への登録がある薬剤を、ラベルに記載された希釈倍数・使用時期・使用回数の範囲で使ってください。 栽培環境(地域・天候・品種・容器の大きさ)によって症状の出方は変わります。判断に迷う場合は、お住まいの都道府県の病害虫防除所や普及指導センターにご相談ください。

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