トマトの葉が丸まる・上向きに巻く原因|肥料過多と水不足の見分け方

トマトの葉が丸まる原因の多くは水不足・高温か肥料過多で、どちらも条件を直せば新しい葉は正常に戻ります。
見分ける手がかりは2つ、①どの葉から巻いたか ②黄色くなっているか、です。株全体〜下の葉が緑のまま内側に巻くなら水不足・高温。葉色が濃く茎まで太いなら肥料過多。いっぽう新しい葉だけが縁から黄色くなって巻き上がり、葉が小さく株が縮んでいくなら、タバココナジラミが媒介する黄化葉巻病(TYLCV)を疑います。これは治療できないため、対処は「治す」ではなく「広げない」に切り替えます。まずは巻き方と部位を確かめて、次の早見表に当てはめてください。
まず結論|原因は5つ。「巻き方」と「どの葉か」で分かれる
原因は水不足・高温/肥料過多/黄化葉巻病/生長点の異常/整枝直後の反応の5つ。ほとんどは前の2つで、急ぐ必要があるのは黄化葉巻病だけです。
トマトの葉が丸まる、と一口に言っても、中身はまったく別の現象が混ざっています。やっかいなのは、どれも「葉が内側に巻く」という同じ見た目になることです。そこで最初にやるべきなのは、原因をいきなり1つに当てにいくことではなく、「戻るもの」と「戻らないもの」を分けること。トマトの葉巻きで戻らないのはウイルス病だけなので、ここさえ外さなければ、あとは落ち着いて手を打てます。
見分けの軸は2つだけ覚えてください。①どの葉から巻いたか(下の葉か、いちばん新しい葉か)、②葉が黄色くなっているか(緑のままか)です。次の早見表は、この2軸で5つの原因を振り分けたものです。今の株を見ながら、当てはまる行を探してみてください。
| 症状の見え方 | 疑う原因 | 回復の見込み | 最初にやること |
|---|---|---|---|
| 下〜中位の葉が緑のまま内側に巻く。日中に強く、朝夕はゆるむ | 水不足・高温によるストレス | 高い | 土の乾きを指で確かめ、水やりの時間と量を見直す |
| 株全体の葉が濃い緑で厚く、内巻き。茎が親指ほど太い | 肥料過多(窒素過多) | 高い | 追肥を止め、実がつくまで再開しない |
| 新しい葉だけが縁から黄色く巻き上がり、葉が小さく株が縮む | 黄化葉巻病(TYLCV) | 戻らない | 抜き取って袋に密閉して処分。周りの株と葉裏の虫を確認 |
| 生長点付近の葉が細くねじれる・カップ状に丸まる。花や実も変形 | 除草剤の飛散・堆肥や培土の残留成分・ホルモン剤 | 原因しだい | 除草剤や新しい土・堆肥の心当たりを洗い出す |
| 脇芽かき・摘葉をした翌日から、その周りの葉が巻く | 作業後の一時的な生理反応 | 高い | 数日様子を見る。追加の摘葉はしない |
この中で「新しい葉だけが黄色く巻き上がる」に当てはまったら、先に黄化葉巻病の章を読んでください。それ以外なら、まず慌てなくて大丈夫です。品種ごとの基本の育て方は野菜別の育て方にまとめています。
30秒でできる原因の切り分け(3ステップ)
①夕方にもう一度見る ②葉色と茎の太さを見る ③葉裏に白い小さな虫がいないか見る。この順で、家庭菜園で起きる葉巻きのほとんどは切り分けられます。
早見表に当てはまらない、あるいは複数に当てはまってしまうときは、次の順番で確認します。道具はいりません。順番に意味があるので、上から行ってください。
- 1夕方にもう一度見る:葉からの蒸散を抑えるために葉が内側に巻くのは、トマトの正常な反応です。カゴメの栽培アドバイスでも、夕方には夜間に備えて自然に葉が巻きぎみになる、と説明されています。朝は開いていて日中から夕方だけ巻くなら、病気ではなく水と暑さの問題です。
- 2葉色と茎の太さを見る:葉の色が濃い緑で、生長点付近の葉が内巻きにくるくる巻き、茎も太くなっているなら肥料過多を疑います(サントリーフラワーズ)。タキイ種苗もチッソ過剰の症状を「葉色が濃く、葉脈などが硬くなる」と整理しています。
- 3葉裏を見る:1mmに満たない白い小さな虫がふわっと飛び立つなら、コナジラミ類がいます。葉巻きが新しい葉に出ていて、かつこの虫がいるなら、黄化葉巻病を強く疑う場面です。
原因1|水不足・高温:いちばん多く、いちばん心配がいらない
日中に葉を巻くのは、水を失いすぎないための自衛反応。朝夕に戻るなら異常ではありません。ただしプランターは乾きが早く、ここが崩れやすい。
トマトは比較的乾燥に強い作物ですが、根から吸い上げる水より葉から失う水(蒸散)が多くなると、葉の表面積を減らして水を守ろうとします。これが内巻きの正体です。カゴメの栽培アドバイスでも、乾燥・水分不足では葉からの蒸散を抑えるために葉が内側に巻く、と説明されています。
ここが理解の分かれ目なのですが、葉が巻いているのは「弱った結果」ではなく、「まだ自分で調節できている」証拠です。葉は水を蒸発させることで自分の温度を下げていますが、供給が追いつかなくなると、日射と風に当たる面積を減らして蒸発量そのものを絞ります。人が暑い日に日陰へ入るのと同じ行動を、葉は自分の形を変えることでやっているわけです。
だから本当に危ないのは、巻いているときではなく、巻く力すら失って葉全体がダラリと垂れ下がったときです。前者は調節中、後者は調節が効かなくなった状態。この違いを知っておくと、「巻いている」だけで慌てずに済みます。ただし、水をやっても回復せず、日中も朝も垂れたまま急にしおれていく場合は、水不足ではなく根や導管の病気(青枯病など)の可能性があるので、別の対処が必要になります。
なぜプランターで起きやすいのか。根が張れる土の量が限られているからです。真夏の南向きベランダでは、朝たっぷり与えても夕方には乾ききることがあります。ここで大事なのは、回数を増やすことではありません。「乾いてから、鉢底から流れ出るまで」与えることです。少量をちょこちょこ与えると水は表面だけを湿らせ、根は下に伸びず、かえって乾燥に弱い株になります。
逆に、水のやりすぎでも葉は巻きます。土が常に湿っていると根が酸素不足になり、根が傷んで水を吸えなくなるためです。梅雨時に「毎日欠かさず水やりしていたのに葉が巻いた」というときは、こちらを疑ってください。判断は指で行います。土に第一関節まで指を入れて、湿っていれば与えない。これだけで水まわりのトラブルは大きく減らせます。
- 朝に与える:日中の高温で鉢の中が蒸れるのを避け、いちばん蒸散する時間帯に水を持たせられる
- 受け皿に水を溜めない:常時湿った状態が続くと根腐れの原因になる
- 鉢そのものを冷やす:黒いプランターは日射で土の温度が上がりやすい。すのこを敷く、鉢まわりだけ日陰にするだけでも違う
- 株元を覆う(マルチング):わらやバークチップで覆うと、乾きと地温上昇の両方をゆるめられる
容器の大きさや培養土の選び方でも乾きやすさは大きく変わります。買い替えを検討するなら道具・資材の選び方もあわせて確認してください。
原因2|肥料過多(窒素過多):葉色が濃く、茎が太いのがサイン
葉が濃い緑で厚く、茎が親指くらい太い。この2つが揃った内巻きは肥料過多です。対処は「足す」ではなく「止めて待つ」。
家庭菜園でいちばん多い誤解が、「元気がなさそうだから肥料を足す」です。葉巻きが肥料過多で起きている場合、追肥は症状を悪化させます。サントリーフラワーズは、葉の色が濃い緑色で茎も太くなり、生長点付近の葉全体が内巻きにくるくると巻いている状態を、肥料過多の見え方として挙げています。
なぜ肥料が多いと葉が巻くのか。株が、実をつける「生殖成長」ではなく、葉と茎を伸ばす「栄養成長」に傾くからです。窒素が余ると光合成でつくった炭水化物とのバランスが崩れ、茎が異常に太くなったり、葉が大きく波打ったりします。タキイ種苗の生理障害一覧でも、チッソ過剰は「葉色が濃く、葉脈などが硬くなる」症状として整理されています。なお同じ一覧には、茎の一部が褐変する「異常茎」も生理障害として挙げられており、樹勢が強くなりすぎたときに現れやすいと言われます。茎の様子まで含めて見ておくと、判断の精度が上がります。
対処はシンプルで、追肥をいったん止め、1番花・2番花がしっかり実になるまで再開しないことです。土に入った肥料はすぐには抜けないので、変化が見えるまで2週間ほどかかります。その間に新しく展開する葉が普通の緑・普通の形なら、回復に向かっています。
| 見るところ | 水不足・高温 | 肥料過多(窒素過多) |
|---|---|---|
| 葉の色 | ふつうの緑。ややしおれ気味 | 濃い緑で、葉が厚く大きい |
| 時間による変化 | 日中に強く、朝夕はゆるむ | 一日中ほとんど変わらない |
| 茎の太さ | 変わらない、または細い | 親指ほどに太くなる |
| 花・実のつき方 | つくが小さくなりやすい | 花が咲かない・落ちる(樹ボケ) |
| 最初の一手 | 乾き具合を確かめて水やりを見直す | 追肥を止めて2週間待つ |
原因3|黄化葉巻病(TYLCV):治らないので「広げない」に切り替える
新しい葉だけが縁から黄色くなって巻き上がり、葉が小さく株全体が縮む。これはタバココナジラミが運ぶウイルス病で、薬でも肥料でも治りません。
5つの原因のうち、唯一「様子見」が通用しないのがこれです。島根県病害虫防除所の資料では、発病初期は新葉が葉縁から黄化しながら葉巻症状となり、進行すると葉脈間が黄化して縮葉となる、さらに株全体の萎縮や頂部の叢生(先端に小さな葉がかたまって出ること)が起きる、と説明されています。発病後の花は開花しないか、開花しても結実しません。
見分けの決め手は3つ。①症状が新しい葉から出る ②黄色くなる ③葉が小さくなり、節間(葉と葉のあいだ)が詰まって株が縮む、です。ここが決定的で、水不足や肥料過多では株が「縮む」ことはありません。水も肥料も、株を伸ばす方向にしか作用しないからです。上へ伸びる勢いが止まって全体が小さくすぼまっていくのは、株の設計図そのものが乗っ取られているサインだと考えてください。サントリーフラワーズも、葉先が反り返り、葉裏が紫色の色素を帯びながら細かく波打つように巻く場合をウイルス病の見え方として挙げ、一度発生すると回復はできないとしています。
媒介するのはタバココナジラミ(バイオタイプB・Q)で、感染した株を吸汁したあと、約1日の潜伏期を経て伝搬能力を持ちます。いっぽうで、接触伝染・種子伝染・土壌伝染はしません(島根県病害虫防除所)。つまり葉かきなどの手作業で隣の株にうつしてしまう心配は小さく、防ぐべき相手は「虫」、というのが実務上の結論になります。家庭菜園でやることは次の3つです。
- 1発病株を抜き取る:ベランダや畑に置いたままにせず、ビニル袋に密閉して処分します。抜かずに残すと、その株自体が周囲への伝染源になり続けます。
- 2虫を入れない:施設栽培では、開口部に目合い0.4mmの防虫ネットを張ることが推奨されています(島根県病害虫防除所)。プランター栽培なら、同等の細かさの防虫ネットや不織布で、植え付け直後から株ごと覆う形になります。
- 3周りを片づける:こぼれ種から生えた「野良生えトマト」や周辺の雑草は、伝染源にも媒介虫の発生源にもなります。抜いておきましょう。
原因4|生長点の異常:除草剤・堆肥・ホルモン剤の影響
いちばん先の葉だけが細くねじれる、カップ状に丸まる、花や実まで変形する。この組み合わせは、水でも肥料でもなく「外から来た薬・資材」を疑う場面です。
見落とされやすい原因です。トマトは合成オーキシン系(ホルモン型)の除草剤にきわめて敏感で、ごく低い濃度でも、生長点付近の葉が細く伸びてねじれる、葉がカップ状に巻く、といった症状が出ます。庭や駐車場で除草剤をまいた、除草剤を入れた噴霧器を洗わずに使い回した、風下にトマトを置いていた——といった心当たりがないか確認してください。
もうひとつが、堆肥や培養土に残った除草剤成分「クロピラリド」です。海外で牧草や穀類の生産に使われる除草剤で、それを含む飼料を食べた家畜のふんを原料にした堆肥を使うと、感受性の高いトマトなどに生育障害が出ることがあります。農林水産省は、クロピラリドが原因と疑われる生育障害の事例が令和4年9月時点で93件報告されているとし、トマト・ミニトマトを特に注意が必要な品目として挙げています。症状としては生長点の奇形や芯止まりが報告されています。
見分けのコツは「分布」を見ることです。風上側や特定の一辺に偏って出ているなら飛散(ドリフト)、同じ土・同じ堆肥を使った鉢がそろって出ているなら資材由来を疑います。判断がつかない場合、その土でさやえんどうなど感受性の高い植物を試し植えして生育を見る「生物検定」という確認方法が、農研機構と農林水産省のマニュアルで紹介されています。家庭菜園でも、疑わしい土を使い続ける前に小さな鉢で試すだけで、翌シーズンの失敗を防げます。
原因5|脇芽かき・摘葉のあとに、一時的に葉が巻く
作業した翌日から巻いたなら、まず時間が解決します。追加で葉を減らさないことが、いちばんの対処です。
脇芽かきや摘葉のあと、株は蒸散と吸水のバランスを取り直します。葉を一度に多く減らすと残った葉に負担が集中し、一時的に巻くことがあります。ここで「元気がないから」と追肥をしたり、さらに葉を整理したりすると、原因を上乗せすることになります。作業日と症状が出た日が重なっていないか、まず思い出してください。
予防としては、一度に減らす葉は多くても株全体の1〜2割まで、そして真夏の日中を避けて朝のうちに作業する、という2点を守るだけでかなり違います。脇芽は小さいうちに手で摘めば、株へのダメージも、切り口から病気が入る心配も小さくできます。大きくなってからハサミで切るほど、株への負担は増えます。
やりがちなNGと正解
葉巻きへの対処で失敗するパターンは、ほとんどが「良かれと思って足す」です。まず引き算から考えてください。
❌葉が丸まったので、元気づけようと追肥した
⭕先に葉色と茎の太さを確認。濃い緑・太い茎なら、追肥を止めて2週間待つ
❌毎日少しずつ水をやって、土を常に湿らせている
⭕土に指を入れて乾きを確かめ、乾いていたら鉢底から流れ出るまでたっぷり与える
❌巻いた葉をすべて切り取ってすっきりさせた
⭕巻いた葉も光合成はしている。摘葉は一度に全体の1〜2割までにとどめる
❌新しい葉が黄色く巻いているが、しばらく様子を見ている
⭕黄化葉巻病の可能性。抜き取って密閉処分し、周りの株と葉裏の虫を確認する
❌病名がわからないまま、家にあった殺菌剤をかけた
⭕原因を絞ってから、トマトに登録のある薬剤をラベル通りに使う
❌症状が出た株の土を、そのまま来年も使う
⭕資材由来の疑いがあるときは、土を替えるか、感受性の高い植物で試し植えして確かめる
プランターで再発させない3つの管理
水・肥料・虫。この3つを植え付けの時点で決めておけば、葉巻きの大半は起きません。
症状が落ち着いたら、次は再発させない設計に移ります。トマトの葉巻きは「起きてから直す」よりも、「起きない条件を先につくる」ほうがはるかに簡単です。特にプランター栽培は土の量が少ないぶん、水と肥料の変動がそのまま株に出るため、最初の設計が効きます。
| 管理項目 | 目安 | なぜ効くのか |
|---|---|---|
| 容器の大きさ | 1株につき1容器。大玉・中玉ほど深さと容量のある容器を選ぶ | 土の量が増えるほど水分と肥料の変動がゆるやかになり、ストレス性の葉巻きが出にくくなる |
| 水やり | 土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまで。原則として朝に与える | 「乾く→たっぷり」のリズムが根を深く張らせ、日中の蒸散に耐えられる株になる |
| 追肥 | 元肥入り培養土ならしばらく不要。1番果が肥大し始めてから、製品の指示量で | 早すぎる追肥が窒素過多=葉巻き・樹ボケの最大の原因になる |
| 防虫 | 植え付け直後から株を覆う。黄色い粘着トラップを併用する | コナジラミを寄せつけないことが、治せない黄化葉巻病への唯一の予防になる |
| 記録 | 水やり・追肥をした日をカレンダーに書く | 「いつ何をしたか」が分かると、症状が出たときに原因を一度で特定できる |
意外に効くのが最後の「記録」です。葉巻きの相談でいちばん多いのが「追肥したかどうか覚えていない」というケースで、ここが不明だと肥料過多の切り分けができず、打つ手が総当たりになってしまいます。カレンダーに丸をつけるだけで十分です。月ごとの作業の目安は植え時・月別作業にまとめています。
迷ったときの判断ライン:様子見でいいか、抜くべきか
「新しい葉が黄色く小さくなり、株が縮んでいく」なら抜く。それ以外は、条件を1つだけ変えて1週間観察する。
最後に、判断に迷ったときの線引きをまとめます。トマトの葉巻きで取り返しがつかなくなるのは、黄化葉巻病を放置して周囲に広げてしまったときだけです。それ以外は、条件を変えながら観察する時間的な余裕があります。
- すぐ抜く:新しい葉が縁から黄色く巻き上がり、葉が小さく、節間が詰まって株全体が縮んでいる
- 1週間観察する:緑のまま巻いている、または濃い緑で茎が太い。水やりか追肥のどちらか1つだけ条件を変え、新しく出る葉の形を見る
- 土と資材を疑う:同じ土や堆肥を使った鉢がそろって、生長点だけおかしい
- 相談する:写真を撮って、都道府県の病害虫防除所や普及指導センター、苗を買った園芸店に見てもらう
観察するときのコツは、変える条件を1回に1つだけにすることです。水も肥料も同時に変えると、良くなっても悪くなっても理由が分かりません。そして見るのは「今ある葉」ではなく「これから出てくる葉」です。一度巻いた葉が完全に元の形へ戻るとは限りませんが、新しい葉が正常に展開しているなら、その株は立て直せています。ほかの症状から原因をたどりたいときは症状から探すも使ってみてください。
よくある質問
一度丸まった葉は元に戻りますか?▾
原因が水や肥料などの環境ストレスであれば、条件を直すことで新しく出る葉は正常に育ちます。ただし、すでに硬くなって巻いた葉が完全に元の形へ戻るとは限りません。回復したかどうかは「これから展開する葉」で判断してください。ウイルス病(黄化葉巻病)の場合は、新しい葉も正常には戻りません。
葉が丸まっていても、実は収穫して食べられますか?▾
水不足や肥料過多といった生理的な原因であれば、すでについている実の品質に大きな問題はありません。黄化葉巻病の場合も、このウイルスが人に感染することはありませんが、発病後は開花・結実しにくくなるため、そもそも実がとれなくなっていきます。
肥料をやりすぎたとき、土から肥料を抜くことはできますか?▾
プランターであれば、鉢底から流れ出るまでたっぷり水を与えることで、余分な肥料成分をある程度は流せます。ただし何度も繰り返すと根を傷めるため、基本は追肥を止めて待つのが正解です。新しい葉の様子が変わるまで、2週間ほどを目安に見てください。
黄化葉巻病になった株の土は、また使えますか?▾
黄化葉巻病は土壌伝染しないため、土を介してうつることはありません(島根県病害虫防除所)。ただし株を抜いたあとも、周辺に残った媒介虫やこぼれ種から生えたトマトが伝染源になります。土そのものより、虫と残った株の処分を優先してください。
防虫ネットはいつから張ればいいですか?▾
植え付けの直後からです。媒介するタバココナジラミは1mmに満たない小さな虫で、感染株を吸汁した個体は約1日で伝搬能力を持ちます。実がついてから慌てて張るより、最初から覆っておくほうが確実で、手間も少なくて済みます。
参考・出典
- ・サントリーフラワーズ「トマトの葉が丸まる」(よくいただくご質問)
- ・&KAGOME「ミニトマトの葉が巻いてしまいます」(カゴメ 栽培アドバイス)
- ・タキイ種苗「トマト 生理障害」
- ・タキイ種苗「トマト 黄化葉巻病」(やさい症状診断)
- ・島根県病害虫防除所「トマト黄化葉巻病」
- ・農林水産省「クロピラリド関連情報」
- ・農研機構「飼料及び堆肥に残留する除草剤(クロピラリド)の簡易判定法と被害軽減対策マニュアル(第2版)」
- ・農研機構「トマト黄化葉巻病の総合防除マニュアル」
病害虫の防除に農薬を使う場合は、その作物への登録がある薬剤を、ラベルに記載された希釈倍数・使用時期・使用回数の範囲で使ってください。 栽培環境(地域・天候・品種・容器の大きさ)によって症状の出方は変わります。判断に迷う場合は、お住まいの都道府県の病害虫防除所や普及指導センターにご相談ください。
