きゅうりの葉が白い原因4つ|うどんこ病の見分け方と重曹の正しい濃度
きゅうりの葉が白いときは、まず葉の裏を見てください。虫がいるかどうかで、対処がまったく変わります。
白い症状はうどんこ病だけではありません。タキイ種苗の病害虫データベースは、ハダニとアザミウマの項でどちらも「病害と間違いやすいが、葉の裏に虫がいることにより区別できる」と書いています。葉裏に虫がいれば、その白さは虫による可能性が高くなります。虫がいない場合は病気の側で、指でこすって白い粉が取れればうどんこ病です。うどんこ病菌は葉の表面に生えているためです。ただし虫と病気は同時に起きることがあり、また白い粉にならないうどんこ病もあるため、片方を見つけても他方の確認はやめないでください。そしてうどんこ病は多くの人が思うのと逆で、多湿ではなく「やや乾燥した条件」で増えます。重曹を使う場合、国の通知が示す濃度は0.1%程度(水1Lに1g)です。
結論|白い葉は4種類ある。分けるのは「葉裏に虫がいるか」
白い=うどんこ病、と決めつけると対処を間違えます。最初の分岐は病気か虫か。まず葉の裏を見てください。ただし両方が同時に起きることもあるため、片方を見つけて確認を打ち切らないでください。
「きゅうりの葉が白い」で調べると、ほとんどの記事がいきなりうどんこ病の説明を始めます。しかし実際には、葉が白く見える原因は病気にも虫にもあり、対処法がまったく違います。うどんこ病だと思って殺菌剤をまいても、原因がハダニなら効きません。
タキイ種苗の病害虫データベースは、ハダニの項で「病害と間違いやすいが、葉裏には虫がいるので区別できる」、アザミウマの項でも「病害と間違いやすいが、葉の裏に虫がいることにより区別できる」と、ほぼ同じ文を2回書いています。裏を返せば、現場ではそれだけ間違えられているということです。まずここで分けてください。なお原文が述べているのは、白い症状の原因が虫か病気かを見分けられるということであって、虫がいれば病気がないという意味ではありません。ハダニとうどんこ病が同じ株で同時に起きることもあります。
| 白さの見え方 | 葉裏を見ると | 正体 | 最初にやること |
|---|---|---|---|
| うどん粉をまぶしたような白い粉。指でこすると取れる | 虫はいない | うどんこ病 | 発病葉を取り除く(6章) |
| 葉緑素が抜けて白い。かすれた質感で、粉は取れない | 0.5〜1mmの虫がいる。アズキのような形 | ハダニ | 葉裏を洗い流す。乾燥させない |
| 白く色が抜ける。葉裏がなめられたようにテカテカ光る | 細長い虫がいる(ミナミキイロは体長1mm、ミカンキイロは2mm) | アザミウマ | 葉裏を確認。黄化えそ病を媒介する |
| 葉脈や茎が白っぽくなる | 体長2mmの白い翅の虫が飛ぶ | コナジラミ類(白化はシルバーリーフコナジラミ) | すす病(黒いかび)が出ていないか確認 |
| (白ではないが紛らわしい)葉脈で区切られた黄色い角形の斑点 | 虫はいない | べと病 | うどんこ病とは対処が別。高湿度で出る |
なぜ「こすると取れる」でうどんこ病と分かるのか
うどんこ病菌は葉の中ではなく表面に生えているからです。だから拭き取れます。この性質は、後の対処法すべての理由にもなります。
タキイ種苗はうどんこ病の病原菌について「病原菌は表生性で、白く見える菌体上に形成される胞子が飛散して伝染する」と説明しています。表生性とは、菌が葉の組織の中に潜らず、表面に張り付いて生えているという意味です。高知県の資料も、きゅうりのうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea)について「本菌は外部寄生性で葉面の菌そうの表面に胞子を形成する」としています。
白く見えているものの正体は、粉でも汚れでもなく、カビの菌糸と胞子の集まりそのものです。ただし後述のとおり、キュウリのうどんこ病菌は1種類ではありません。指でこすれば取れますが、取れたからといって治ったわけではありません。むしろこすった手や道具に胞子が付き、別の葉へ運ぶことになります。
❌白い粉を手でこすり落として、そのまま次の葉を触る
⭕判定のためにこするのは1枚だけ。確認したら手を洗い、以降は葉ごと切り取って処分する
❌白い葉をプランターの土の上や足元に置いておく
⭕袋に入れて口を閉じてから処分する。胞子が飛んで残りの株に広がります
❌白い部分を水で強く洗い流して様子を見る
⭕濡らすのは逆効果になりうる。うどんこ病は乾燥ぎみで増えますが、水をかけるとべと病など別の病気の条件を作ります(3章)
もうひとつ、初期の見落としについて。タキイは「病原菌は数種知られていて、キュウリの葉裏から発生することもあり、初発については葉の裏側についても注意して観察する」としています。表面だけ見て「まだ出ていない」と判断しないでください。葉裏を見る習慣は、虫の判別と初期発見の両方に効きます。
通説の逆|うどんこ病は「湿気」ではなく「乾燥ぎみ」で増える
カビだから多湿で増える、はうどんこ病には当てはまりません。3つの公的・専門資料がそろって、乾燥ぎみのときに発生が多いとしています(原文は表2)。
うどんこ病はカビ(糸状菌)による病気です。そのため「梅雨に広がる」「風通しが悪く湿気がこもると出る」と説明されがちですが、資料に当たると逆のことが書いてあります。
| 出典 | 原文 | 読み取れること |
|---|---|---|
| タキイ種苗 | 「やや乾燥した条件下で多く発生する。直接雨の当たらない施設栽培で被害が大きく、露地栽培では、夏季、高温乾燥時に多発する」 | 雨が当たらない場所ほど危ない |
| 島根県 病害虫データベース | 「一般にやや乾燥気味の時に発生が多い。」 | 同じ結論 |
| 高知県(こうち農業ネット) | 「乾燥条件下で発生しやすいが、これは水分がなくても分生子が発芽できるためである」 | 理由まで書いてある |
高知県の一文が仕組みを説明しています。多くのカビは胞子が発芽するのに水を必要としますが、うどんこ病菌は水がなくても発芽できる。だから、他のカビが動けない乾いた条件でも、この菌は働けるというわけです。なお高知県は同じページで「露地栽培では梅雨期の後半頃から発生が見られ、夏から秋にかけて多発する。」ともしています。梅雨どきに見え始めること自体はある。ただし増える条件は湿気ではなく、そのあとの高温乾燥——という順序で読んでください。
これはベランダのプランター栽培にとって、そのまま実害のある話です。雨の当たらない軒下やベランダの奥は、露地の畑より条件が悪い。タキイが「直接雨の当たらない施設栽培で被害が大きく」と書いているのは温室の話ですが、屋根のあるベランダは同じ性質を持ちます。「うちは雨に濡れないから病気になりにくいはず」という直感は、うどんこ病に関しては逆になります。
白くなる株には共通点がある|多肥・過繁茂・日照不足
資料が挙げる発生要因は、乾燥のほかに「多肥」「過繁茂」「密植で日当たりが悪い」の3つ。どれもプランターで起きやすいものばかりです。
うどんこ病が出る株には傾向があります。タキイは「また、多肥栽培でも多発する傾向がある」「過繁茂状態で発生が増加する」とし、島根県は「また、密植で日当りの悪い場合や多肥栽培で発生が多い」としています。2つの資料がそろって「多肥」を挙げているのがポイントです。
| 資料が挙げる要因 | プランターで起きること | 打ち手 |
|---|---|---|
| 多肥 | 容量が小さいぶん、規定量のつもりでも濃くなりやすい。追肥の間隔が短くなりがち | 肥料の量を計算し直す(化成肥料8-8-8の使い方) |
| 過繁茂 | 摘葉せず葉を残しすぎる。きゅうりは葉が大きく、すぐ重なる | 古い下葉から順に整理する。下位葉から発病するため一石二鳥 |
| 密植・日当たり不足 | 60cmプランターに2株以上植える。ベランダの奥や壁際で光が足りない | 株数を減らす。容量の目安はプランターのサイズの選び方 |
タキイは症状について「主に葉に発生する。下位葉から発生し、葉面にうどん粉をまぶしたように白いかびが生える」としています。発生が下の葉から始まるというのは、対処のうえで有利な情報です。上のほうの新しい葉が白くなる前に、株元の古い葉を定期的に見るだけで初期に気づけます。
なお、放置したときの経過も書かれています。「病勢が進むと植物体全体が汚白色のかびで覆われ、葉が黄化して枯れあがることもある」。白い段階は、まだ引き返せる段階です。
この病気は土から来ない|「純寄生菌」が意味すること
うどんこ病菌は生きた植物からしか栄養を取れません。だから土の使い回しや連作は、この病気の直接の原因にはなりません。
タキイははっきり書いています。「病原菌は純寄生菌(生きた宿主植物体から栄養を吸収してのみ生活できる菌)で、人工培養ができない。キュウリのほか、カボチャ・メロン・マクワウリ・スイカなどを侵す」。
この一文から、家庭菜園で実際に効く結論が3つ出ます。
- 1去年の土を使ったせいではありません。菌は生きた植物の上でしか生活できないため、土の中で待ち構えてはいません。うどんこ病に関しては土の再利用を疑う必要はない、ということです(連作障害は別の話で、ウリ科の連作は避けるほうが無難です)(土の扱いは古い土の再生方法へ)。
- 2感染源は「生きている植物」です。近所のカボチャやメロン、ウリ科の雑草が供給源になりえます。島根県は越冬について「秋に被害葉につくられた子のう殻の形で越冬し、翌年これから子のう胞子を飛散し、第一次伝染する」としています。片づけずに残した被害葉が翌年の元になるわけです。
- 3同じベランダのウリ科どうしでうつります。きゅうりとカボチャ、ズッキーニを並べているなら、1株で出た時点で残りも見てください。
つまり、シーズン終わりに病気の葉を残さず片づけることが、翌年の対策になります。逆に、土をどれだけ入れ替えても、飛んでくる胞子は防げません。土に手をかけるより、株の混み具合と片づけのほうが効きます。
見つけた日にやること|4ステップ
白い葉を見つけたら、その日のうちに「取り除く・広げない・条件を変える」。薬を探すのはそのあとです。
- 1葉裏に虫がいるかと、白い粉が取れるかを両方確認する。虫がいれば表1の虫の側の対処が要ります。ただし虫がいても、白い粉が別にあればうどんこ病も同時に出ています。どちらか一方で確認を打ち切らないでください。
- 2白くなった葉を、付け根から切り取る。こすらず、葉ごと外します。下位葉から出るので、まず株元を見てください。
- 3切った葉は袋に入れ、口を閉じて処分する。その場に置かない、土に埋めない、堆肥にしない。胞子が飛びます。
- 4混み具合と肥料を見直す。重なった古い葉を整理し、直近の追肥が多すぎなかったか確認します(表3)。
ここまでで止まることは珍しくありません。発生初期であれば、発病葉の除去と環境の手直しだけで進行が緩みます。逆に、株全体が白くなってから薬剤を考え始めると、選択肢も効果も限られます。
重曹は「農薬」です|国の通知が示す濃度は0.1%程度
重曹は農薬取締法上の特定農薬(特定防除資材)に指定されています。「農薬ではないから自由」ではなく、国が濃度まで示している資材です。
家庭菜園向けの記事では、重曹スプレーが「無農薬の自然な方法」として紹介されます。しかし制度上は違います。農薬取締法にもとづき、農林水産省・環境省の告示で指定されている「特定農薬(特定防除資材)」は、エチレン・次亜塩素酸水・重曹・食酢・天敵の5つです。重曹はその1つで、法律上は農薬に位置づけられたうえで、登録を不要としているという構造になっています。
そして農林水産省・環境省が都道府県に出した通知(平成26年3月28日付け25消安第5776号ほか)には、重曹について次のように書かれています。
| 項目 | 原文 |
|---|---|
| 種類 | 殺菌剤(散布用) |
| 薬効が認められる対象病害虫等 | 「野菜類、ばら、ホップの灰色かび病」「野菜類、ばら、ホップのうどんこ病」「野菜類のさび病」 |
| 参考となる使用方法 | 「重曹濃度 0.1%程度に薄めたものを 150~500L/10a 散布。」 |
| 使用の際の注意点等 | 「にがうりに使用する場合、えらぶ、か交5号、チャンピオン、久留米百成2号又は吉田系の品種では、薬害が生じた事例がある。」 |
濃度0.1%は、水1Lに対して重曹1gです。きゅうりは「野菜類」に含まれ、うどんこ病は薬効が認められる対象に挙がっています。ここが、ネット上の情報といちばん食い違うところです。「小さじ1杯を水1Lに」といった書き方を見かけますが、重曹の小さじ1杯はおよそ4g(小さじ1=5mLとしたときの一般的な換算値で、通知に書かれた数字ではありません)。水1Lに4gなら0.4%=通知が示す濃度の4倍になります。なお0.1%は希釈でいえば1000倍にあたります。少量を正確に量る方法は農薬の希釈倍率と作り方で扱っています。
❌「効かないから」と濃くする/目分量で溶かす
⭕0.1%程度=水1Lに1gを守る。濃くしても効果が上がる根拠はなく、薬害の側に振れます
❌表示のない詰め替え品など、主成分が重曹だと確認できないものを使う
⭕通知は該当する重曹の範囲を6つ列挙しています。食品添加物、飼料添加物、日本薬局方、雑貨工業品品質表示規程にのっとった表示のある住宅・家具用の洗剤(主要な成分が重曹だと確認できるもの)、JIS試薬、SDS等で製品規格が確認できるもの。掃除用がすべて範囲外というわけではなく、表示で確認できるかが基準です
❌「食品だから安全」と考えて量や回数を気にしない
⭕農林水産省は自身のウェブサイト(通知そのものではなく、資材の情報提供ページ)で「たとえ食品であっても大量に摂取したり目に入れたり、環境中に散布しても全く問題がないわけではありません」としています
「酢が効く」に、国の資料の裏づけはない
食酢も特定農薬です。しかしうどんこ病は、薬効が認められる対象に入っていません。載っているのは稲の種子消毒だけです。
うどんこ病の対策として、重曹と並んで酢のスプレーがよく紹介されます。食酢もたしかに特定農薬の5資材の1つです。ところが、同じ通知の食酢の欄を見ると、内容がまったく違います。
| 項目 | 食酢 | 重曹 |
|---|---|---|
| 種類 | 殺菌剤(種子消毒用) | 殺菌剤(散布用) |
| 薬効が認められる対象病害虫等 | 「稲のもみ枯細菌病、ばか苗病、ごま葉枯病」 | 野菜類などの灰色かび病・うどんこ病・さび病 |
| 参考となる使用方法 | 「酸度 0.1~0.25%程度に薄めたものに 24 時間もみを浸漬。」 | 「重曹濃度 0.1%程度に薄めたものを 150~500L/10a 散布。」 |
| うどんこ病への記載 | なし | 「野菜類、ばら、ホップのうどんこ病」としてあり(作物は「野菜類」としての記載) |
食酢の用途として国の通知に載っているのは、稲のもみ(種子)を浸ける処理だけです。葉に散布してうどんこ病を抑える使い方は、この資料には出てきません。
市販の薬剤を使うなら|見るのはラベルの「適用作物」
選ぶ基準は商品名ではなく、ラベルに「きゅうり」と「うどんこ病」が両方書いてあるかです。
重曹や環境の見直しで収まらないときは、登録農薬を使う選択肢があります。ここで大事なのは、効きそうな商品を探すのではなく、ラベルの適用範囲を確認することです。タキイ種苗も病害虫データベースの注意書きで次のように述べています。
「農薬登録のない薬剤を使用したり、登録条件以外の使用をすることは、農薬取締法で禁止されておりますので、生産物の商品性や産地としての信用を著しく損なう恐れがあります」「ご使用に際しては、必ず登録の有無と使用方法(使用時期、使用回数、希釈倍数、処理量など)をご確認ください」。
| 確認項目 | 見落とすとどうなるか |
|---|---|
| 適用作物に「きゅうり」があるか | 「野菜用」と書いてあっても、きゅうりが対象外のことがあります |
| 適用病害虫に「うどんこ病」があるか | 同じ商品でも、病気ごとに登録の有無が違います |
| 収穫前日数(使用時期) | 「収穫◯日前まで」を過ぎて使うと、食べる側の前提が崩れます |
| 使用回数と希釈倍数 | 回数超過も登録条件外の使用にあたります |
もう1つ、同じ薬を繰り返し使わないという点も資料に出てきます。高知県は「薬剤によっては耐性菌を生じやすいので、単一の薬剤を連用しない」としています。同じ薬を続けて効かなくなるのは、薄めすぎでも自分のせいでもなく、菌の側が変わるからです。
来年また出さないために|ベランダでできる3つ
予防は「風と光を通す・肥料を増やしすぎない・シーズン終わりに残さない」。特別な資材は要りません。
| 要因(出典) | ベランダでの具体策 | いつやるか |
|---|---|---|
| 過繁茂(タキイ) | 重なった下葉を落とし、つるを横に広げず上に誘引する | 生育中、週1回の見回りで |
| 密植・日当たり不足(島根県) | 1プランターの株数を減らす。壁際から離して風の通り道を作る | 植え付け前(あとから変えにくい) |
| 多肥(タキイ・島根県) | 追肥の量と間隔を決めて記録する。元気がない=肥料不足と決めつけない | 追肥のたび |
| 被害葉での越冬(島根県) | シーズン終わりに白い葉を残さず片づける。土に混ぜ込まない | 片づけのとき |
きゅうりは葉が大きく、プランターではあっという間に葉が重なります。「よく茂っている」は、うどんこ病から見ると好条件です。支柱で立体的に仕立てて風を通す方法は支柱の選び方にまとめています。虫と病気の見回りをまとめてやりたい場合はベランダ菜園の虫対策も合わせてお読みください。
最後に、この記事でいちばん覚えておいてほしいことをもう一度。葉が白いと思ったら、まず裏返す。虫がいれば、まず虫の対処です。虫がいなくて、粉がこすれて取れるならうどんこ病。どちらも起きていることがあるので、片方で確認を止めないこと。そこまで分かれば、やることは決まります。
よくある質問
白くなった葉は、全部取ってしまって大丈夫ですか?▾
下のほうの古い葉であれば、取って構いません。うどんこ病は「下位葉から発生し」(タキイ種苗)とされ、白くなるのは古い葉からです。白くなった葉は光合成の能力が落ちているうえ、胞子の供給源になります。ただし一度に葉を落としすぎると株が弱ります。目安として、白い葉が株のほとんどを占めるようなら、まず株元の数枚から順に外し、新しい葉が白くならないかを見てください。判断の軸は「白い葉が戻るか」ではなく「新しい葉が白くならないか」です。
うどんこ病になったきゅうりの実は、食べられますか?▾
症状が葉に出ているだけであれば、実を食べることは一般に問題になりません。うどんこ病は「主に葉に発生する」(タキイ種苗)病気で、人に感染するものでもありません。ただし薬剤や重曹を使った場合は話が別で、使った製品のラベルにある収穫前日数と使用回数に従ってください。重曹についても、農林水産省はウェブサイトの情報提供ページで、特定防除資材について「たとえ食品であっても大量に摂取したり目に入れたり、環境中に散布しても全く問題がないわけではありません」としています。散布後に収穫するときは、洗ってからお使いください。
重曹スプレーは、予防のために定期的にまいてもいいですか?▾
国の通知は、予防的な定期散布の方法までは示していません。通知にあるのは「重曹濃度 0.1%程度に薄めたものを 150~500L/10a 散布。」という濃度と散布量、および対象となる病害虫だけです。散布の間隔や回数の記載はありません。したがって「何日おきに何回」を本記事から示すことはできません。確実に言えるのは、濃度を勝手に上げないことと、にがうりの一部品種で薬害の事例が報告されているとおり、植物によっては害が出うることです。予防でいちばん確実なのは、散布ではなく10章の環境側の対策です。
葉が白いのに、こすっても取れません。何が考えられますか?▾
うどんこ病以外の可能性が高くなりますが、うどんこ病を外すことはできません。(2章のとおり、レビュルラ タウリカによるうどんこ病は内部寄生性で、こすっても取れず、葉の表面に黄化した斑点が出ます。)そのうえで、まず葉裏を見て、0.5〜1mmの虫がいればハダニ、細長い虫(ミナミキイロアザミウマは体長1mm、ミカンキイロアザミウマは2mm)がいて、かつ葉裏がテカテカ光っていればアザミウマの可能性があります(いずれもタキイ種苗の記述)。虫がいない場合、葉脈で区切られた黄色い角形の斑点であればべと病かもしれません(島根県)。べと病は「高湿度と20〜24℃」で出るとされ、うどんこ病とは条件も対処も逆です。白さの質感(粉か、色が抜けたか)と葉裏の虫の2点で、かなり絞り込めます。
去年もうどんこ病が出ました。土を新しくすれば防げますか?▾
土の入れ替えでは防げません。うどんこ病菌は「純寄生菌(生きた宿主植物体から栄養を吸収してのみ生活できる菌)」(タキイ種苗)で、土の中で生き延びて感染源になるタイプではありません。効くのはシーズン終わりの片づけです。島根県は「秋に被害葉につくられた子のう殻の形で越冬し」としており、残した被害葉が翌年の元になります。また周囲のカボチャ・メロン・スイカなどウリ科の植物からも飛んできます。土そのものの手入れについては古い土の再生方法をご覧ください。
参考・出典
- ・タキイ種苗|病害虫・生理障害情報 キュウリうどんこ病(データ作成年月日 2024/1/26。症状・純寄生菌・表生性・乾燥・多肥・過繁茂・葉裏の初発)
- ・タキイ種苗|病害虫・生理障害情報 キュウリ ハダニ(「病害と間違いやすいが、葉裏には虫がいるので区別できる」)
- ・タキイ種苗|病害虫・生理障害情報 キュウリ ミナミキイロアザミウマ・ミカンキイロアザミウマ(葉裏がテカテカ光る・病害と間違いやすい)
- ・タキイ種苗|病害虫・生理障害情報 キュウリ コナジラミ類(成虫は白色・体長2ミリ・すす病)
- ・島根県 病害虫防除所 病害虫データベース|キュウリ うどんこ病(「一般にやや乾燥気味の時に発生が多い。」ほか)
- ・島根県 病害虫防除所 病害虫データベース|キュウリ べと病・炭疽病(「葉脈に境された黄色の角形病斑」「高湿度と20〜24℃」)
- ・島根県 病害虫防除所 病害虫データベース|キュウリ シルバーリーフコナジラミ(「葉脈や茎、果実が白化または色が薄くなる」)
- ・こうち農業ネット(高知県)|きゅうり うどんこ病(「乾燥条件下で発生しやすいが、これは水分がなくても分生子が発芽できるためである」/耐性菌と連用)
- ・農林水産省・環境省|特定農薬(特定防除資材)として指定された資材(天敵を除く。)の留意事項について(平成26年3月28日付け25消安第5776号・環水大土発第1403281号、平成26年11月25日改正。重曹0.1%・食酢は稲の種子消毒。改正で重曹・食酢の内容は変わっていない)
- ・農林水産省|特定防除資材(特定農薬)について(指定された5資材と、使用にあたっての考え方)
- ・農林水産省|特定防除資材(特定農薬)として指定された資材に関連する情報提供について(「たとえ食品であっても大量に摂取したり…」の一文の出所)
病害虫の防除に農薬を使う場合は、その作物への登録がある薬剤を、ラベルに記載された希釈倍数・使用時期・使用回数の範囲で使ってください。 栽培環境(地域・天候・品種・容器の大きさ)によって症状の出方は変わります。判断に迷う場合は、お住まいの都道府県の病害虫防除所や普及指導センターにご相談ください。
