野菜の種が発芽しない原因|何日待つか・掘って確かめる手順
発芽しない原因は主に温度・水・覆土・種の古さです。まず発芽日数を過ぎたか確かめ、過ぎたら1〜2か所掘って種を見ます。
タキイ種苗の目安では、コマツナやダイコンは3〜5日、ホウレンソウは5〜8日、ニンジンは6〜8日で発芽します。ただしこれは目安で、寒いと延びます(ニンジンは地温10℃で14日/タキイ)。日数を過ぎても芽が出ないときの原因は主に4つです。①温度が合っていない(秋まきでは残暑の高温と晩秋の低温) ②乾燥または過湿 ③土のかけ方(深さ・光) ④種の古さ・保管。種を水に浸すかどうかは野菜と種の加工で逆になるので、種袋の指示に従います。
まず確認|何日目か。発芽日数は野菜で3〜8日と違う
「芽が出ない」と感じたら、最初にまいてから何日たったかを数えます。発芽までの日数は野菜ごとに違い、しかも寒いほど延びます。まだ待つべき日数のうちに掘り返すと、出かけた芽を傷めるおそれがあります(本記事の判断)。
上位の解説記事の中には「どの野菜も3〜7日」「長くても10日ほど」のように、ひとつの幅で示すものがありますが、タキイ種苗の『山田式家庭菜園教室』には野菜ごとの発芽日数の目安があります。秋にまくことの多い野菜を抜き出すと次のとおりです。
| 野菜 | 発芽適温 | 発芽日数の目安 |
|---|---|---|
| コマツナ・ミズナ・チンゲンサイ | 20〜25℃ | 3〜5日 |
| ダイコン・カブ | 20〜25℃ | 3〜5日 |
| ハクサイ | 20〜25℃ | 3〜5日 |
| キャベツ・ブロッコリー | 20〜25℃ | 4〜6日 |
| レタス | 15〜20℃ | 3〜5日 |
| ホウレンソウ | 15〜20℃ | 5〜8日(エボプライム種子は4〜5日) |
| シュンギク | 15〜20℃ | 5〜8日 |
| ニンジン | 15〜25℃ | 6〜8日 |
| タマネギ | 15〜20℃ | 6〜8日 |
この表には「発芽日数は栽培条件などによって表示日数の範囲外となることがあります」という注があります。とくに影響が大きいのが温度です。タキイのコマツナの栽培マニュアルは、発芽適温の20〜25℃では播種後2〜3日で発芽するとしたうえで「低温だとこの2〜3倍の発芽日数を要します」と書いています。ニンジンのマニュアルでは、15〜20℃で8〜10日のところが、10℃では14日、5℃では30日以上かかるとしています(温度は地温)。
なお、同じタキイでも表1と野菜ごとの栽培マニュアルでは日数が少し違います(コマツナは表1で3〜5日、マニュアルでは適温で2〜3日。ニンジンは表1で6〜8日、マニュアルでは15〜20℃で8〜10日)。本記事は表1を目安に使いますが、数日の幅があるものと考え、迷ったら長いほうの日数まで待ってください(本記事の判断)。
つまり晩秋にまいた種は、表の日数より遅れて当然です。反対に、適温の時期にまいて表の日数を大きく過ぎているなら、何かが起きています。そのときは次章の方法で原因を絞ります。なお、種袋に発芽日数が書いてあれば、表より種袋を優先してください。品種によって違うためです。
日数を過ぎたら|1〜2か所だけ掘って、種の状態を見る
発芽日数を過ぎても芽が出ないときは、まいた場所の端を1〜2か所だけ指で浅く掘り、種がどうなっているかを見ます。種の状態で、原因の候補を絞れます。
何日たったらまき直すかを日数で示した一次資料は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。そこで本記事では、日数で見切るのではなく種そのものを見て判断する方法をすすめます。下の表の「考えられる原因」は、種苗メーカーとその園芸情報サイトの資料の記述をもとにした本記事の見立てです。
| 種の状態 | 考えられる原因 | 根拠にした記述 |
|---|---|---|
| まいたときの形のまま、硬い | 温度が合っていない(低温/残暑期のレタス・ホウレンソウなどは高温)/まだ水を十分に吸っていない。低温ならまだ発芽途中のこともある | 発芽には温度・空気・水分が必要(タキイ)/低温では発芽日数が延びる(タキイ コマツナ・ニンジン)/レタスは25℃以上で休眠状態になる(タキイ) |
| ふくらんで柔らかく、崩れる・においがする | 過湿で腐った | 水を与え過ぎて過湿になると、タネが土の中で腐ることがある(サカタのタネ 園芸通信の連載。草花のタネまきを中心にした連載) |
| 根や芽が出かけて、茶色く枯れている | 発芽の途中で土が乾いた | 芽の出かけたタネがいったん乾燥すると、枯れて発芽できなくなる(同) |
| 根や芽が出かけたまま、土の中で止まっている | 覆土が厚すぎた | 覆土が厚過ぎると、双葉が表面に出てこられず発芽は失敗する(サカタのタネ 園芸通信の連載) |
| 浅く掘っても見当たらない | 深く埋まりすぎ/水やりで流れた/鳥に食べられた(マメ類) | マメ類は播種後から発芽までの間、鳥害が多い(タキイ エンドウ) |
掘るのは端の1〜2か所だけにしてください。まだ発芽の途中の種が残っているかもしれないからです。形のまま硬い種が出てきて、しかも最近冷え込んでいるなら、もう数日待つ価値があります。なお、種が古い・保管が悪かった場合は、掘った見た目だけでは見分けられないと考えられます(本記事の判断)。種袋の有効期限が切れている・夏の暑い場所に置いていた種なら、待っても出ないことがあるので5章も確認してください。腐っていた・枯れていたなら、その場所の残りの種も同じ条件にあったと考え、原因を直してからまき直します。
秋まきで起きやすい温度の失敗|残暑は高温、晩秋は低温
秋まきの温度の失敗は、まいた時期によって向きが逆になります。発芽適温が15〜20℃の野菜(レタス・ホウレンソウ・シュンギク)は残暑の時期に高温でつまずきやすく、晩秋はどの野菜も低温で発芽が遅れます。
とくに高温に弱いのは、発芽適温が15〜20℃の野菜です。タキイのホウレンソウの栽培マニュアルは「25℃以上では発芽率が低下し、35℃以上になると発芽できなくなります」としています。レタスについてタキイは、25℃以上で休眠状態になって発芽が悪くなり、30℃以上ではほとんど発芽しないとしています。サカタのタネのFAQも、レタスは「25℃以上の高温になると休眠に入ります」と書いています(なおホウレンソウの発芽の最高温度は、同じタキイでも『山田式家庭菜園教室』の第2表では30℃で、栽培マニュアル(35℃)と資料によって値が違います)。
残暑の厳しい時期に、これらの野菜をまいて芽が出なかった場合は、まず温度を疑います。発芽適温が20〜25℃の野菜でも高温に限りはあり、タキイはカブについて30℃以上の高温では発芽が著しく悪くなるとしています。
ここで押さえたいのは、発芽に効くのは気温ではないという点です。サカタのタネ 園芸通信の連載(園芸研究家 三橋理恵子さん)は「発芽適温は気温でなく、タネをまくまき床の土の中の温度、地温のことです」と書いています。日なたのベランダに置いた小さなプランターでは、土の温度が気温より高くなることもあると考えられます(本記事の推測)。気になる場合は、土に差すタイプの地温計で測れます(同連載)。
反対に10月後半から11月にまく場合は、低温で発芽が遅れます。1章で見たとおり、コマツナは適温なら2〜3日のところが低温ではその2〜3倍、ニンジンは地温10℃で14日かかります。この場合は失敗ではなく遅れているだけのこともあるので、掘った種が表2の「まいたときの形のまま、硬い」に当たるなら待ちます。ただしタキイは「秋まき野菜の発芽の1日遅れは、収穫の1週間あるいは10日遅れとなってしまいます」とも書いています。まき直すなら早いほうがよく、野菜ごとの締め切りは秋植え野菜のプランター栽培で確認できます。
| まいた時期 | 発芽適温15〜20℃の野菜(レタス・ホウレンソウ・シュンギク) | 発芽適温20〜25℃の野菜(コマツナ・ダイコン・カブ・ハクサイ) |
|---|---|---|
| 残暑の時期(9月前半ごろ) | 高温で発芽しにくい(ホウレンソウ・レタスは25℃以上で発芽が悪くなる/タキイ)。涼しくなってからまき直す | 適温を超えることもある(カブは30℃以上で発芽が著しく悪い/タキイ) |
| 9月後半〜10月前半ごろ | 日なたのプランターでは高温が残ることがある(本記事の推測) | 温度は外れにくい。水・覆土・種を疑う(本記事の目安) |
| 10月後半〜11月ごろ | 低温で発芽が遅れる。締め切りを過ぎていればまき直さない | 低温で発芽が遅れる(コマツナは適温2〜3日の2〜3倍/タキイ)。種袋の日数より長めに待つ |
水と土のかけ方|乾かしても、濡らしすぎても、埋めすぎても出ない
温度が合っているのに芽が出ないなら、次に疑うのは水やりと覆土(種の上にかける土)です。プランターは乾きやすい一方で、受け皿に水がたまると過湿にもなります(本記事の見立て)。
水については、乾燥と過湿の両方が原因になります。サカタのタネ 園芸通信の連載は、発芽までは表面の土が湿っていることが大切で、白っぽく乾いた状態が続くと発芽能力を失うとしています。同時に、水を与えすぎると種が腐るとし、まく時期も覆土も適切で、水も毎日与えているのに芽が出ないときはこのケースが疑われる、と書いています。とくに大粒の種は呼吸量が多いため腐りやすいとしています。
覆土は、種によって光への反応が違うことに注意します。タキイは、光があると発芽が進む好光性種子と、光があると発芽が抑えられる嫌光性種子を分けて、前者は覆土を浅めに、後者は厚めにするとしています。ただし同じ資料は、ダイコンは酸素を多く必要とするので浅めにまくとも書いています。コマツナやカブのようなダイコン以外のアブラナ科は好光性の側に入ります。ただし実際の深さは品種や資料で違うので、種袋の指示を優先してください。
| 種の性質 | 分類 | 主な野菜 | 覆土 |
|---|---|---|---|
| 好光性(光で発芽が進む) | アブラナ科(ダイコン以外)・キク科・セリ科・シソ科 | キャベツ類・ブロッコリー・ゴボウ・レタス・シュンギク・ミツバ・セルリー・ニンジン・シソ | 浅め。レタスは覆土をごく薄く(サカタのタネ FAQ) |
| 嫌光性(光で発芽が抑えられる) | アブラナ科のダイコン・ヒガンバナ科・ナス科・ウリ科 | ダイコン・ネギ・タマネギ・ニラ・ナス・トマト・キュウリ・カボチャなど | 厚め。ただしダイコンは酸素を多く必要とするので浅めにまく(同じ資料) |
好光性の種は覆土が薄いぶん、表面が乾きやすくなります。好光性のニンジンについて、タキイの栽培マニュアルは発芽不良を失敗しやすい1番の原因に挙げ、ニンジンの種は発芽に必要な水分を吸収する力が弱く、発芽するまで土壌が乾燥すると極端に発芽率が低下するとしています。また、ニンジンのように丸い粒に加工されたペレット種子は、「一度吸水した後に、乾燥するとペレットが硬くなり発芽できなくなる」ので、水を切らさないよう注意するとしています(タキイ ニンジン)。
もうひとつ見落としやすいのが、表面の土が固まることです。タキイのシュンギクの栽培マニュアルは、播種後に強い雨にたたかれて表土が固くなると、酸素不足や光不足で発芽率が非常に悪くなるとしています。ジョウロの水を勢いよくかけて表面が締まった場合も、同じことが起きうると考えられます(本記事の推測)。発芽までの水やりは、表面の土が崩れないようやさしくかけます。
❌芽が出ないので、毎日たっぷり水をやって受け皿にも水をためる
⭕表面が乾かない程度に保ち、受け皿の水は捨てる。毎日水をやって出ないなら、過湿で腐っていないか掘って確かめる
❌どの種も同じ深さに埋める
⭕種袋の覆土の指示に従う。とくにレタス・ニンジン・シュンギクなど好光性の種は厚くかけすぎない
❌芽が出るのを待ちきれず、数日おきに掘り返して確かめる
⭕種袋(なければ表1)の日数を過ぎるまでは待つ。低温期はさらに長めに。過ぎたら端の1〜2か所だけ掘る
❌発芽をよくしたいので、どの種も一晩水に浸けてからまく
⭕種袋の指示に従う。浸けてはいけない種(マメ類・加工された種)がある(次章)
種そのもの|古さと保管。種袋の「有効期限」と「発芽率」を見る
水・温度・覆土に問題がないのに、まいた場所のどこからも芽が出ないなら、種そのものを疑います。種袋に表示されている有効期限(または採種の年月)と発芽率を確認します。
種苗法第59条は、種苗業者が指定種苗(国が指定した種類の種苗)を販売するときは、包装に表示するか証票を添付して、種子については「採種の年月又は有効期限及び発芽率」などを示さなければならないと定めています(店頭の掲示など見やすい方法で示すことも認められています)。タキイは、購入した種子は「タネ袋証票に記された発芽率が保証されています」としたうえで、高温・多湿で放置したり、有効期限を大きく過ぎたりした種子は、表示の発芽率を下回り、発芽しない場合もあるとしています。
また、発芽率は100%ではありません。たとえばシュンギクは、発芽適温でも発芽率が40%台というデータがあります(タキイ シュンギク 栽培マニュアル。プランターで初心者に簡単な野菜でも紹介)。発芽率の低い野菜は、少し多めにまいて間引くのが前提です。
| 寿命 | 主な野菜 |
|---|---|
| 4年以上 | ナス・トマト・トウガラシ・スイカ・カボチャ・キュウリ |
| 2〜4年 | ダイコン・キャベツ・ハクサイ・ツケナ・レタス・ホウレンソウ・ニンジン・ミツバ・ゴボウ・エンドウ・インゲン・ソラマメ |
| 1〜2年 | ネギ・タマネギ・ラッカセイ・シソ |
表5は室内で保存した場合の目安です。残った種の保管について、タキイは「購入した種子は気温15〜20℃の範囲での保管を心掛け」、高温期の6〜9月は低温・低湿での保管が望ましいとし、少量なら家庭用冷蔵庫でもよいとしています。また「湿った種子を保管すると発芽力の急激な低下を招く」ので、開封後の残りは吸湿させないよう注意するとしています。夏のベランダや物置に置きっぱなしにした種は、有効期限内でも発芽が落ちている可能性があります。
種を水に浸すべきか|野菜と種の加工で答えが逆になる
硬い種は一晩水に浸すと発芽がよくなる、という助言を見かけますが(上位記事の中にもあります)、種苗メーカーの資料では野菜と種の加工によって逆です。浸けるとかえって発芽を損ねる種もあります。
タキイの『山田式家庭菜園教室』は、浸漬処理(種を水に浸けること)はかつては有効だったとしつつ、「現在は種苗会社の種子加工や管理技術が向上し、浸漬処理はむしろトラブルを引き起こすのでおすすめしていません」と書いています。とくに発芽を促す処理(プライミング)や農薬がコーティングされた種子への浸漬は「厳禁」としています。一方で、同じタキイでも野菜ごとの栽培マニュアルには、浸けることをすすめる記述もあります。
| 対象 | 資料の記述 | 出典 |
|---|---|---|
| 総論 | 浸漬処理は、いまはむしろトラブルを起こすのですすめない。発芽を促す処理(プライミング)や農薬がコーティングされた種子への浸漬は厳禁 | 山田式家庭菜園教室 |
| シュンギク | 「一昼夜水に浸すと水がまっ茶色になり、発芽抑制物質が除去され発芽がよくなります」 | シュンギク 栽培マニュアル |
| エンドウなどマメ類 | 水に浸してからまくと、急な吸水で種皮が破れて発芽を損ねることがある。「水に浸さずタネをまくようにしましょう」 | エンドウ 栽培マニュアル |
| ホウレンソウ | 春〜夏まきでは催芽(芽出し)させて発芽をそろえる。「エボプライム処理(発芽促進処理)された種子はそのまま播種します」 | ホウレンソウ 栽培マニュアル |
| レタス | 高温時は種子を吸水させて冷蔵庫内で催芽させたあとにまくとよい(レタス 栽培マニュアル)。一方、レタスの種は大半がペレット種子に加工されていて、浸すとペレットが崩れる(山田式家庭菜園教室) | レタス 栽培マニュアル/山田式家庭菜園教室 |
このように、浸すかどうかは野菜と、その種が加工されているかどうかで決まります。手元の種がどちらに当たるかは、種袋に書かれています。種袋に浸すよう書いていなければ、浸さずにまくのが安全です(タキイの総論が浸漬処理を「おすすめしていません」としていることにもとづく本記事の判断)。とくにマメ類(スナップエンドウなど)と、丸い粒に加工されたペレット種子は浸けないでください。レタスの催芽も、手元の種がペレット種子なら行わないのが安全です(本記事の判断)。
一部だけ出た・まばらに出た場合
全部ではなく一部だけ芽が出たときは、すぐにまき直す必要はないこともあります。まず何割出たかと、出なかった場所に偏りがあるかを見ます。
発芽率はもともと100%ではないので、一部が出ないのは珍しくありません。サカタのタネ 園芸通信の連載は、まいた粒数を数えておけば発芽率が分かるとし(20粒まいて18粒出れば90%)、主に草花について、新しい種を正しくまけば80%ぐらいは期待できると書いています。まく前に粒数をメモしておくと、「出ない」が普通の範囲か異常かを判断できます。
出なかった場所に偏りがあるなら、その場所の条件を疑います。タキイは、地面に傾斜があると場所によって水分に過不足が生じ、ニンジンなどは発芽が不ぞろいになるとしています。カブの栽培マニュアルも、土の水分が不足すると発芽が遅れたり発芽ムラが生じたりするとしています。プランターなら、水やりのたびに水が届きにくい隅や、日が当たって乾きやすい側がないかを見ます(本記事の見立て)。
| 出方 | 考えられること | 対処 |
|---|---|---|
| 全体に少しずつ抜けている | 発芽率の範囲内のこともある | そのまま育てる。足りなければ空いた所に追加でまく |
| 片側・隅だけ出ていない | 水の過不足や日当たりの偏り | その場所を掘って確かめ、水やりと置き方を直す |
| 遅れて少しずつ出てくる | 低温や乾燥で発芽がそろわなかった | 低温期は発芽が遅れ、そろいも悪くなる(タキイ ニンジン)。しばらく様子を見る |
まき直すときの手順
掘って原因の見当がついたら、その原因だけを直してまき直します。何も変えずに同じようにまくと、同じ結果になります。
- 1種袋の「まきどき」をもう一度見る。秋まきの締め切りを過ぎていれば、同じ種でまき直さない。苗を買うか、来年に回す(秋植え野菜のプランター栽培)
- 2種袋の有効期限(または採種の年月)を見る。期限切れや保管が悪かった種なら、新しい種に替える
- 3表面の土を入れ替えるか、ほぐす。固く締まっていたら、上の数cmを新しい培養土にする(本記事の判断)
- 4種袋の指示どおりの深さで覆土する。好光性の種は薄く
- 5最初の水やりは、たっぷり・やさしく。その後は表面が乾かない程度に保ち、受け皿に水をためない
- 6高温期なら日陰、低温期なら日なたに置く。置き場所を変えられるのがプランターの利点
- 7まいた日と粒数をメモする。種袋(なければ表1)の日数で、次に確かめる日を決める。低温期は長めに
芽が出たあとに消えた・倒れた場合は、発芽の問題ではなく、虫や病気、または光不足による徒長の可能性があります。葉に穴があるなら野菜の葉に穴があく原因を、ほかの症状は症状から探すを見てください。
よくある質問
種をまいて何日たっても芽が出なければ、まき直したほうがいいですか?▾
日数だけで決めず、端の1〜2か所を掘って種の状態を見るのがおすすめです。発芽日数はコマツナで3〜5日、ニンジンで6〜8日など野菜で違い(タキイ。種袋に書いてあれば種袋を優先)、低温では延びます(コマツナは適温2〜3日のところが低温でその2〜3倍、ニンジンは地温10℃で14日/タキイ)。形のまま硬く、最近冷え込んでいるなら数日待つ価値があります。残暑期なら涼しくなってからまき直し、腐っていたり、根が出かけて枯れていたりすればまき直します。種が古い場合は、待っても出ないことがあります。
9月にまいたホウレンソウ(レタス)が発芽しません。なぜですか?▾
まず温度を疑います。タキイによれば、ホウレンソウは25℃以上で発芽率が下がり35℃以上では発芽できず、レタスは25℃以上で休眠状態になって発芽が悪くなります。発芽に効くのは気温ではなく地温で(サカタのタネ 園芸通信の連載)、日なたのプランターは土が温まりやすいと考えられるので(本記事の推測)、涼しくなってからまき直すか、日陰の風通しのよい所に置きます。
去年の残りの種は使えますか?▾
種袋の有効期限と、保管のしかたしだいです。寿命は野菜で違い、ネギ・タマネギは1〜2年、ダイコン・ホウレンソウ・ニンジンなどは2〜4年、ナス・トマトなどは4年以上が目安です(タキイ)。夏の高温や湿気の中に置いた種は、期限内でも発芽が落ちることがあります。
発芽しやすくするために、種を一晩水に浸けてもいいですか?▾
種袋に書いてある場合だけにしてください(本記事の判断)。タキイは浸漬処理を一般にはすすめておらず、発芽促進処理(プライミング)や農薬コーティングをした種子には「厳禁」としています。シュンギクのように浸すとよい野菜がある一方、エンドウなどマメ類は浸すと発芽を損ねることがあります。
参考・出典
- ・タキイ種苗|山田式家庭菜園教室〜Dr.藤目改訂版〜「タネの発芽不良の原因と対策」(発芽の3条件/第1表 発芽適温と発芽日数/第4表 光と発芽/浸漬処理はおすすめしない/第5表 種子の寿命/種子の保管/秋まき野菜の発芽の1日遅れは収穫の1週間〜10日遅れ)
- ・タキイ種苗|コマツナ 栽培マニュアル(発芽適温20〜25℃で播種後2〜3日/低温だと2〜3倍の発芽日数)
- ・タキイ種苗|ニンジン 栽培マニュアル(15〜20℃で8〜10日・10℃で14日・5℃で30日以上、低温では発芽揃いも悪くなる/発芽までの乾燥で発芽率が極端に低下/ペレット種子は吸水後に乾燥すると発芽できなくなる)
- ・タキイ種苗|カブ 栽培マニュアル(発芽は30℃以上の高温では著しく悪くなる/土壌水分が不足すると発芽が遅れたり発芽ムラが生じる)
- ・タキイ種苗|ホウレンソウ 栽培マニュアル(25℃以上で発芽率低下・35℃以上で発芽できない/春〜夏まきは催芽/エボプライム種子はそのまま播種)
- ・タキイ種苗|レタス 栽培マニュアル(25℃以上で休眠状態・30℃以上と4℃以下ではほとんど発芽しない/高温時は冷蔵庫で催芽/覆土は極薄く)
- ・タキイ種苗|シュンギク 栽培マニュアル(温度別の発芽率/一昼夜水に浸すと発芽がよくなる/表土が固くなると発芽率が非常に悪くなる)
- ・タキイ種苗|エンドウ 栽培マニュアル(マメ類は水に浸さずまく/播種から発芽までの鳥害)
- ・サカタのタネ よくある質問|【レタス】発芽不良にならないタネまき条件を教えてください。(25℃以上の高温で休眠/覆土はごく薄く)
- ・サカタのタネ 園芸通信|初心者さんもやってみよう! タネまきから苗育てAtoZ【第9回】上手に発芽させるにはコツがあります(文:園芸研究家 三橋理恵子。草花のタネまきを中心にした連載。発芽適温は地温/覆土の厚さ/乾燥と過湿/コーティング種子)
- ・e-Gov法令検索|種苗法 第59条(指定種苗についての表示:採種の年月又は有効期限及び発芽率)
病害虫の防除に農薬を使う場合は、その作物への登録がある薬剤を、ラベルに記載された希釈倍数・使用時期・使用回数の範囲で使ってください。 栽培環境(地域・天候・品種・容器の大きさ)によって症状の出方は変わります。判断に迷う場合は、お住まいの都道府県の病害虫防除所や普及指導センターにご相談ください。
